好きなアイテムに偏ってしまうのは、当たり前!
「それ持ってるよね?」とまわりの人に言われてしまったり、似ているなと思いながらも、ついつい買ってしまったりするアイテムはありませんか?
そのアイテムは、自分のファッションを支えてくれている、自分を好きな自分にしてくれているアイテムではないでしょうか?
はやりすたり関係なく、そのアイテムは人それぞれ。
私の周りだと、そのアイテムが、ギャザーブラウスだという人や、ジョガーパンツだと言う人、そして、先日お会いしたお客さまは、タイトのロングスカートだとおっしゃっていました。
ファッションは気分を上げてくれるものですが、気持ちを安定させてくれるものでもあります。
自分好みの、「自分」をつくってくれるアイテムに偏ってしまうのは、当たり前のことなのかもしれません。
とくに大人になってくると、どうしても似合うアイテム、テイストの幅は狭くなり、広げていこうとさまよいすぎると、深みにハマってしまうことも……
ある程度、絞り込み、一本軸を通すのが、おしゃれな雰囲気をつくりあげる近道だと思います。
そして、その一本通した軸が、その人のキャラとなり、その人なりのおしゃれをつくってくれるはずです。
そうしていくためには、なぜそのアイテムを好んでいるのか分析してみると、いろいろ見えてくるかもしれません。
何を隠そう、私自身が、思いっきり手持ちのアイテムが偏っている人。
コレクションをしているかのように、同じようなアイテムが増えていきます。
私が持っている似たアイテムとは?
ここ数年では、「黒のジャンパースカート」でしょうか。
数えてみると、現役の1軍選手が4着ありました。
では、なぜ、このアイテム、黒のジャンパースカートを好んでしまうのか。
理由はいくつかあります。
まず1つめは、トップスの着丈を気にしなくていいこと。
151cmと背が低い上に、ラフすぎるバランスがあまり似合わないタイプの私は、着丈がちょうどいいトップスとなかなか出合えません。
でも、ジャンパースカートだと、着丈を気にせず、気に入ったトップスを着ることができるんです。
肩まわりのシルエットが気に入っていても、着丈が長すぎて難しいメンズTシャツも、
ジャンパースカートとなら合わせられます。
そして、しっかり濃いめの顔のつくりなので、へたをするとキリッとしてしまいがちの雰囲気を、ジャンパースカートが、ちょうどよくゆるっとさせてくれるのです。
体系をカバーしてくれるというのも魅力です。
ふんわりしたお腹や、腰の張りをさりげなく隠してくれるのも頼りにしてしまうポイントです。
なぜ黒なのか。
それは、単純に黒が好きだから。
昔から自分のベースカラーは黒。
持っているアイテムとも合わせやすく、自分好みのスタイルをつくってくれるからです。
ほかにも、増えていくアイテム
そのほかにも、コレクションのように増えていくアイテムがあります。
たとえばこれ、白のロゴT。
文字の色は黒の、モノトーンタイプです。
きれいにまとまり過ぎているコーディネートを、ちょうどよく、くずしてくれるのが、このモノトーンのロゴTです。
1枚で着るのもいいですが、深く空いたVネックや、ジャンパースカートの胸元から少しのぞかせ、さりげなくロゴを効かせるのも好みの着こなしです。
自分が使いやすいものが何かを理解していくと、毎日のおしゃれはもっと楽しくなるはずです。
そうすることができるのは、ファッションに関しても経験を積んできた大人だからこそ。
大人ならではのファッションの楽しみ方かもしれません。
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「おしゃれのABC」とは……
ちょっとしたコツで、ぐっとおしゃれに。
スタイリスト・植村美智子が、約25年の仕事を通して培ったコーディネートの経験とファッションの知識を生かし、季節ごとに陥りがちな、おしゃれの悩みを解決します。
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<スタイリング/植村美智子 撮影/林 紘輝>
植村 美智子(うえむら・みちこ)
大阪府吹田市出身。文化服装学院アパレルデザイン学科卒業。アシスタント経験後、1996年にスタイリストとして独立。雑誌、広告、タレントのスタイリングなどで幅広く活躍。2010年、ファッションコーディネートサービス「Liltin'(リルティン)」を立ち上げ、個人向けのコーディネートを開始する。ひとりひとりとじっくり向き合うことを大切にし、ファッションを楽しんでもらえることを目指したパーソナルスタイリングが人気を呼ぶ。著書に『洋服の選び方』(マイナビ出版)、電子書籍『「今の自分」に似合う服』(扶桑社)などがある。
Liltin' ファッションコーディネートサービス
https://liltin.com/
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