豆まきは大勢でやった方が面白い
節分はいかがお過ごしでしたか? 恵方巻きは食べましたか? 我が家はそれなりに気合いを入れて節分に挑みましたよ。
と言いますのも、去年は散々な結果に終わったからです。
1歳になった娘の豆まきは、さぞやかわいいだろうと思っていました。
小さいお手てで、豆をまいてもらおう。夫には鬼をやってもらおう。キャッキャと楽しい1日になることうけあい。
ところが、気合いを入れすぎた夫が「おおお~!! ガルル~!」と大声で登場するものだから、娘は大泣き。
ただでさえ大きな身体の夫。そこに鬼のお面、虎模様の衣装。異形の生き物をリアルに表現してどうするんだ。1歳児にちょうどいい声量と衣装ってものがあるだろうに。
こんな塩梅で、私がプンスコ怒ってしまった節分だったのです。
なので、今年はあらかじめ「大きすぎない声で! 豆を投げられたらすぐ倒れるように!」と夫に演出を入れておきました。
そして当日。娘は保育園でつくった鬼の被りものをして上機嫌でした。これは去年とは違ういい兆しです。
そこに鬼が登場。程よい声量。コミカルな動き。いいよ! やればできる。
ところが娘が「こわい……」と言って私に抱きついてきます。でも、豆を投げれば面白いと思ってくれるかもしれない。そう思った私は鬼に豆を投げつけました。
すると「おおお~!!!」と倒れる鬼。大声量です。ノリにノッてきた夫が指示を忘れて大声になってしまったのです。娘の怯えがピークに。ということでここで終了です。
なんで大声になっちゃうのよ! と、今年もイマイチな節分になってしまいました。
しかし、私はこうなることを予想して計画を立てていました。近所の神社で豆まきをやるらしいのです。
豆まきの後、子どもにはお菓子が配られるらしい。これは喜びそうです。家で盛り上がらなかった分、こちらでリベンジです。
その神社は小さいにも関わらず、人でごった返していました。近所にこんなに子どもがいたのかと驚くほどです。ご祈祷が終わると、豆まきが始まりました。
「袋に豆が入っていて、ご祈祷されている5円玉が入ってるのがあるから、お守りにするといいわよ。」隣にいたマダムが教えてくれました。
その手には大きなエコバッグが。見るとみんなエコバッグを空に掲げて、そこに豆が入ってくるように構えているではないですか。気合いが違います。
この豆まき、想像以上の楽しさでした。子どものためなんて言いながら、私が1番楽しんでしまいました。息子にとっては初めての節分。いい記念になりました。
無事5円玉入りの豆もゲットし、子どもはお菓子の詰め合わせをもらって上機嫌で家へ。夕飯は豆ご飯にしましたよ。
1つ分かったことがあります。豆まきは大勢でやった方が絶対面白いですね。
白鳥久美子(しらとり・くみこ)
1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。