• 朝、行えば1日を気分よく過ごせるヨガを、ヨガ講師のサントーシマ香さんに伺いました。今回は、1日を整える朝の呼吸と、布団の中のストレッチを教わります。
    (『天然生活』2023年5月号掲載)

    布団の中でできる、簡単ヨガ

    ポーズと呼吸を合わせて行うことで、心身の緊張をほぐし、健康を促進するといわれるヨガ。

    ヨガ講師でアーユルヴェーダ・セラピストとしても活躍するサントーシマ香さんいわく、「背骨を刺激するので自律神経が整い、リラックスにつながります。また、心臓や肺、血管などの機能を高めることも知られています。ヨガにはさまざまな種類がありますが、運動習慣がない人でも取り入れやすい、ゆるやかなものをご紹介します」

    自身、2児の子育てに追われ、朝からバタバタしているものの、1ポーズでも行うだけで、イライラすることが少なくなったそう。

    「朝、布団から出るのって決意がいりますよね。脳科学によると、人間はエネルギーを消耗しないためにぐうたらするようにできているそう。いつまでも布団の中でぬくぬくしていたいと思うのは自然な反応。ですが、立ち上がって動き出さないといけないので、体に『起きるよ』と合図を送るような、布団の中と上でできるヨガを紹介します。朝からたくさんやることがあって忙しい人も、目覚めたら布団で、ゆっくり体を動かしてみると、1日を気分よく、調子よく過ごせるようになりますよ

    サントーシマさんが教えてくれたのは、伸びの延長のような感覚でできる簡単なヨガばかり。寝ている間にこわばってしまった関節や腰、背中なども気持ちよくほぐれるので、一度やったら、その気持ちよさに続けたくなるはず。

    「ひとつでもふたつでもいいので、できる範囲でやってみてください。心が落ち着き、お通じがよくなったり、ちょっとした不調が改善したりといった効果を感じられます」

    質の高い睡眠も大事

    画像: 質の高い睡眠も大事

    朝のヨガをがんばっても、睡眠不足で体が疲れていては、効果は半減してしまいます。夜は電子機器を閉じてなるべく早寝をし、睡眠時間を確保しましょう。

    良質な素材のパジャマを着たり、アイピローで眼精疲労をいやしたり。いびきや口の中の乾燥を防ぎ、安眠へと導く鼻呼吸を助けるテープを利用するのもおすすめです。

    1日を整える朝の呼吸

    目覚めたら呼吸で心をチューニングする

    忙しい毎日を過ごしていると、朝から晩まで息をつめて駆け抜けがち。そこで動く前に短時間でいいので、意識的に呼吸をしてみましょう。

    鼻から息を吸ったり吐いたりすることで、朝のヨガのウォーミングアップにも。自分自身が内側に広げたい性質、たとえばやさしさや穏やかさなどが内側に満ちていくような感覚を抱きながらやるのもいいでしょう。

    ポジティブなことを考える

    画像: ポジティブなことを考える

    「早起きしてえらい」「朝ごはんがあってありがたい」など、自分をほめたり感謝したりしながら呼吸をするのも、1日を積極的に過ごせるコツ。

    体に触れながら鼻呼吸を味わう

    画像: 体に触れながら鼻呼吸を味わう

    自分の体に意識を向けながら、自然な呼吸をするために、胸や腹部に手を当てたり、なでたり、軽く叩いたりしながら呼吸をするのもおすすめ。

    布団の中でゆっくり体を動かす

    ヒトデのストレッチ

    深い呼吸に合わせて、手足の指を伸ばしたり握ったりすることで、ゆるやかに目覚めへと導くポーズです。関節のこわばりの解消、全身のストレッチ、血流改善効果も期待できます。

    「なんとなくだるい」「疲れがたまっている」。そんなとき、このポーズだけでも行うとすっきりして、いつもより楽に1日を始められます。

     全身を伸ばす

    画像1: ヒトデのストレッチ

    仰向けになり、両腕を頭上に伸ばして大の字に。息を吸いながら、手足の指を大きく開いて、気持ちよく伸ばす。

     指先、つま先をグー・パーする

    画像2: ヒトデのストレッチ

    息を吐きながら手足の指をぎゅっと握り、おなかに力を込める。をグーパーするように3〜5回繰り返し、最後は気持ちよく脱力。

    ガス抜きのポーズ

    穏やかに体を目覚めさせていく、小さなやさしい動きです。ひざを引き寄せることで、おなかへ呼吸が広がる感覚をより自覚しやすくなります。

    おなかが張ったり、ゴロゴロしたりする人は、おなかの不快な症状を和らげてくれる働きも期待できます。また、腰痛の予防にもなるため、長時間同じ姿勢を続ける人にもおすすめです。

     両ひざを胸に引き寄せる

    画像1: ガス抜きのポーズ

    仰向けになり、両腕で抱えるようにひざを胸に引き寄せる。この姿勢のまま、無理のない範囲でゆっくりと数呼吸。

     両ひざを回す

    画像2: ガス抜きのポーズ

    手をひざに当て、回す。両ひざをそろえ同じ方向に回しても、左右対称に円を描くようにしてもいい。3〜5回行い、仰向けで脱力。

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    <監修/サントーシマ香 イラスト/徳丸ゆう 取材・文/長谷川未緒> 

    サントーシマ香(さんとーしま・かおり)
    ヨガ講師、アーユルヴェーダ・セラピスト。大学在学中にヨガと出合い、2002年渡米。全米ヨガアライアンス認定インストラクター講座を修了後、インドや北米を中心に学び続ける。ムーンサイクルヨガ、眠りのヨガなどを中心にヨガ講師の育成、ヨガのネット配信も行う。著書多数。インスタグラム@santosimakaori

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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