• 夫婦ともに正社員で共働きの場合、片働きや妻がパートの場合と比べて、世帯年収が多くなる傾向があります。手持ちのお金はあるし、節約しなくても赤字にならないからお金の管理が甘くなりがち。知らずに財布のヒモがゆる~いお金の使い方になっているかもしれません。老後に困らないために、今からお互いの年収額を確認しする必要があるとファイナンシャルプランナーの塚越菜々子さんは話します。
    (『お金の不安をこの先ずーっとなくすために今できる46のこと』より)

    「共働き“あるある”」のお金の管理

    夫婦ともに正社員で共働きの場合、次のことに思い当たる人は、「共働き“あるある”」の財布のヒモがゆる~いお金の使い方になっているかもしれません。

    『お金の不安をこの先ずーっとなくすために今できる46のこと』より、老後に影響する、共働き夫婦の金銭管理について紹介します。

    ◻︎ 相手の月収や年収を知らない
    ◻︎ 相手もそれなりに貯金していると思っている
    ◻︎ 夫婦でお金の話をすることはほとんどない
    ◻︎ 節約はあまり意識しないが、ムダ遣いや贅沢はしていないと思う
    ◻︎ 家計簿はつけていない
    ◻︎ 夫は固定費、妻は変動費などの分担を決めて、あとは自由に使っている
    ◻︎ 支払いはキャッシュレスが多い

    以前、こんな相談を受けたことがあります。

    相談者|30代後半、正社員、共働き、子ども

    2人、世帯年収は手取りで1300万円。夫婦別財布の家計で、住居費や水道光熱費などの固定費は夫、食費や日用品費などの変動費は妻といった感じで、家計支出をなんとな~く2人で分担していました。

    家計支出の分担分以外は、ぜ~んぶ自分の小遣い。自由に使ってOKのルールです。すごく節約しているわけではないけれど、自分たちとしては「フツーに」お金を使っている感覚です。

    ところが、小学5年生の上の子が中学受験をするために塾に通い始めたことで、状況が変わってきました。塾代が思いのほか、かかる。私立の中高一貫校に進学した場合の教育費がどれくらいになるのか、見当がつかない。これまでお金の心配をしたことがなかったご夫婦が、初めてお金の不安を感じました。

    1300万の世帯年収が、気づかぬうちに200万の不足に

    まずはクレジットカードの利用明細書などを見ながら、支出を一つずつチェック。その結果、世帯年収が手取り1300万円に対して、前年1年間の支出が1500万円になっていたことが判明。200万円の不足分は貯蓄を取り崩していたのですが、その自覚がない。

    このご夫婦は家計を一から見直して、手遅れになる前に年間収支の赤字解消と教育費の確保ができました。

    正社員共働きだと、「今は」お金に困ることはありません。世帯収入がいいから「節約しなくちゃ」とか、「お金を貯めなくちゃ」とか思わなくても、な~んにも困りません。

    足りなくなる老後資金

    でも、それがずっと続くわけではないんですよね。年金生活に入ったら、今のお金の使い方は通用しなくなります。現役時代に高収入の人ほど、現役時代の収入と年金額との差が大きくなります。

    たとえば、平均年収800万円の妻の年金額は約250万円、1000万円の夫の年金額は約300万円。世帯年収1800万円が、年金生活になると、550万円の3分の1以下に。ざっくり言うと、支出を今の3分の1以下にする必要があるということです。これって、それなりの老後資金がないと、かなり窮屈な生活になりますよね。

    共働き夫婦、特に2人とも高収入の場合、お互いの年収額を知らないというケースもあります。まずは年末に受け取る「源泉徴収票」を公開して、お互いの年収額を確認しませんか?

    今のことだけを考えて、自分たちの「フツー」感覚でお金を使うのは危険ですよ。



    <著者/塚越菜々子 イラスト/かなたかなえ>

    塚越菜々子(つかごし・ななこ)
    1984年生まれ。日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、公的保険アドバイザー(公的保険アドバイザー協会)。税理士事務所に15年間勤務後、2017年に「保険を売らないファイナンシャルプランナー」として独立。現在までに2600人の家計や資産運用のサポートを行う。テレビ、雑誌、webメディアなどのほか、SNSやYouTube FPナナコ【働く女性のお金の教養教室】で情報を発信する。私生活では2児の母。

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    お金の不安をこの先ずーっとなくすために今できる46のこと(著者・塚越菜々子)

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