今の私なら、出来るかもしれない
最近夢中で見ているイギリスBBCの「ブリティッシュ・ベイクオフ」という番組があります。Amazon primeで観られて、時々NHKでも放送しています。
どんな番組かと言いますと、お菓子やパンづくりに自信のある一般の人をイギリス中から募集し、厳選された12名が毎週お題にそってお菓子やパンを焼き上げます。その中で毎週、1位と脱落する人をプロの審査員が決定し、決勝ではその頂点に立つ1人を決めようという内容なんです。
これが、まぁ、とっても面白い。こちらのコラムで何度も公言していますが、私はお菓子づくりに対する憧れが強い割に、雑な性格からほぼ成功しないという人間です。
そんな私にうってつけ。憧れのお菓子やパンづくりの様子が見られる上に、ベイカーたちの挑戦と時間との戦い、果ては辛口審査員がどんな感想を言うんだろうというハラハラ感も相まって、家の掃除をしたいのに、そんなものは散らかしておけ! とばかりに時間を忘れて観てしまうのです。
ただ観ているだけなのに、お菓子やパンづくりに対する知識が以前より増えてきて、「今の私なら出来るかもしれない。」という、根拠のない自信も日に日に増してきました。
私もベイカーになりたい。ベイカーの皆さんは本業ではないのに、趣味でここまでつくれるのかと驚愕するほどの腕前なのです。
よし私もやろう!「キャロットケーキ」をつくることにしました。この番組でもう学習済みです。キャロットケーキは失敗が少ないケーキなのです。
以前つくった時はにんじんを細かく千切りにしたんですがイマイチだったので、今回はちゃんとすりおろしました。
中に入れるクルミとレーズンも細かく切りました。これも学習済みです。中に入れるものは細かくしないと、焼いた時に底に沈んでしまうのです。
分量もしっかり量り、下準備もバッチリ。そう、全ては下準備と計画性にかかっている。これも全て「ベイクオフ」で学びました。
そして仕上がったキャロットケーキ。今までで1番美味しくできました。アイシングは雑ですが、これでも今までで1番丁寧に塗りました。
味は「これが私の作品!?」と、シンデレラが魔法にかかった時の様な感想が出てしまうほど、私史上最高に美味しかったです。
そうか、お菓子づくりは魔法と一緒なのか。あらやだ、乙女が出ちゃってすみません。
さて、キャロットケーキで自信をつけたイケイケの私は、次はシュークリームに挑戦しようと思っています。
42歳にもなったら、ほぼ目新しいこともないと思っていましたが、まだまだやってないことが沢山あるなぁと気づきました。
シュークリーム、マカロン、タルト、メレンゲのケーキ、果ては誰かのウエディングケーキ! 挑戦したい美味しいものがあるというのは、なんてワクワクするんだろう。
というわけで、最近の私はつくりたいものを想像しているだけなのに、なんだか楽しい毎日なのです。
白鳥久美子(しらとり・くみこ)
1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。