(『天然生活』2023年8月号掲載)
日々使うものに感謝を込めて
日々の暮らしのお手本は、祖母と母。実家は山口県の兼業農家で、祖母は畑仕事をしながら、味噌も梅干しも手づくり。母は手間をいとわず立ち働き、いつも家をきれいに。
「家事の中でも思い入れが深いのが洗濯。実家では竹竿に衣類を一枚ずつ通して干していて、お日様に当たってふかふかになるのが大好きで。ひとり暮らしを始めてからずっと、実家にならってていねいにやってきました。だけどいまは忙しくて、洗濯乾燥機にまかせきり。夜まで入れっぱなしでもふんわり仕上がって、すごく助かっているので、さっと掃除し、衣類をたたみ、最後だけはきちんと」
実家で暮らしていたころ、取り込んだ洗濯物をたたまずそのまま着て、祖母に叱られたことがあるそう。横着せず、必ずたたんで、クローゼットにしまいます。
台所仕事の最後にシンクのまわりをふくのは、毎日ふき上げてピカピカにしていた母を見ていたから。使い終わったら、きちんときれいに。日々使うものに、感謝を込めて。
「夜のうちに整えておけば、また明日、気持ちよくスタートできる。夜眠くても、もうひとがんばりできるのは、祖母と母を見てきたから。ようやくふたりのあとが追えるようになったかなと思います」
夕方5時に仕事を終わらせるのが、これからの目標です。
「最近は運動がてら歩いて買い出しに。おかげで立ち仕事がちょっと楽になった気がします。寝る前にはベッドでヨガを。5分だけでもやると、よく眠れます」
やりたいことを続けていくために、自分のメンテナンスも大事に。暮らしのリズムが整えば、心も体も楽になります。
夜の家事リズム
夜20:00 しっかり
翌朝のおにぎりのために夕食を食べる間にお米を浸水
朝はお米を浸水している時間がないので、夕食を食べる30分の間に。水からあげたら、ざるごと保存容器に入れて、乾燥しないようにふたをし、朝まで冷蔵庫に。
「ざるの大きさとちょうど合う保存容器が見つかって、いろいろ試した末に、この形になりました」
ふっくらおいしい炊きたてごはんを楽しむための、ひと手間です。
夜21:00 しっかり
台所仕事が終わったらシンクまわりをふき上げる
台所仕事を終えたら、シンクを洗い、まわりをふき上げます。
「魚をさばいたり、手を洗ったり、シンクは汚れを洗い流す場のように思っていたのですが、毎日ピカピカにする母を見ていて、そうではなく、料理をつくるための清浄な場なのだと気づいて、向き合い方が変わりました。ふき上げておくと翌朝、気持ちいいです」
夜21:30 しっかり
ありがとうの気持ちで洗濯乾燥機を掃除
2階の住空間に戻ったら、洗濯物を取り込みます。
「私に代わってがんばってくれた洗濯乾燥機に、感謝を込めて、必ず掃除をします。ほこりを取るくらいの簡単な掃除ですが、いつもきれいに使えるように」
洗濯物は一枚ずつたたんで、クローゼットに。ものを大事に扱う祖母の思いを受け継ぐ気持ちで、夫にも手伝ってもらいながら。
夜22:00 しっかり
朝は時間がないから着替えや仕事の準備を
朝起きたらすぐ身支度できるように、クローゼットに洗濯物をしまったら、ついでに着替えをセット。
「何を着るか悩んでいる時間がないので、翌日の予定に合わせて組み合わせます」
2階から1階へおろすものは、かごに入れて階段のそばに。
「洗ったリネン類やエプロン、スケジュール帳など、思いつくままざっと入れておきます」
夜22:30 かるく
先に入ったら洗い場、最後に入ったら浴槽を掃除
どんなに眠くても、お風呂掃除は毎日必ず、入浴時に。
「最後に入った人にすべてまかせるのは負担なので、夫と相談して、先に入った人が洗い場、後から入った人が浴槽を洗うことにしました」
ふたりで手分けしてやれば、早く終わって、気持ちもラク。毎日洗えば汚れもたまらず、大掃除の手間も省けて、ストレスもありません。
夜の時間割
18:30 | 夫の帰宅時間に合わせて仕事を終わらせて、夕食準備 |
20:00 | 夕食。食事する間に翌朝使うお米を浸水 |
21:00 | 食器などを洗い、シンクの掃除 |
21:30 | 2階の居住空間に戻り、洗濯物をたたむ。お風呂の湯を入れる間に掃除や明日の準備 |
22:00 | 入浴。寝る前にストレッチやヨガを |
00:00 | 就寝 |
夜を助けるアイテム
心地よい肌触りのイブル
いろいろ試してキクロンに
<撮影/辻本しんこ 取材・文/宮下亜紀>
庄本彩美(しょうもと・あやみ)
看護師から料理家に転身。京都の町家を拠点に「円卓」として活動。ていねいな仕事が伝わるお弁当やケータリング、保存食づくりなどを行う。ワコールがプロデュースする宿、京の温所の朝食プランも担当。アトリエオープンデーやマルシェ出店など、スケジュールはSNSからお知らせ。インスタグラム@entaku_ayamii
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです