(『天然生活』2021年12月号掲載)
薪ストーブの準備と、春を待つ球根の植え付けを
庭では、夫が薪の支度をする横で、球根を植え付けて春の準備。
「以前、あるお客さまに『このあたりは自然豊かなのに、庭まで熱心に整えている人が多いね』といわれ納得。私も少しでもまねできたらと、以前見たターシャ・テューダーの本にならって『種をまくように』球根を植えています」
夫との出会いをきっかけに決めた、福島での暮らし。けれど気づけば、ずっと前から知りたかったこと、実践したかったことが身のまわりにある日々になりました。
「保存食も庭しごとも、まだまだ私にとってスペシャル感のある行事という感覚。周囲の先輩方のように、私もこの土地の豊かさを自然と生かせる人になれたら。そんな気持ちでいまは一歩ずつ、経験を重ねているところです」
薪ストーブの準備をする
家の暖房として欠かせない薪ストーブ。シーズンが始まる前に煙突を掃除し、冬の寒さに備えます。
「毎日薪ストーブに火を入れるようになると『もうすぐ本格的な冬だなあ』と実感。近所の薪屋さんへの注文も、忘れてはいけない冬じたくのひとつです」
球根植えの用意
地面が凍る前に、好みの球根を買って庭に植えておくのは、冬の先に待つ季節のお楽しみ。
「ガーデニングといえるほどきちんとしたものではなく、あくまで気ままに。春になり、忘れていたころにふと芽吹いてくれると、たまらなくうれしいんです」
オリジナルのアロマクリーム
「東京にいたときはあちこちで買えたけれど、いまはなかなか手に入らないので」手づくりするようになったというアロマクリームやジェル。
冬には手肌の保湿のほか、風邪のひき始めのケアや安眠のための助けなど、さまざまな用途で活躍してくれます。
<撮影/長谷川ちえ 取材・文/玉木美企子>
長谷川ちえ(はせがわ・ちえ)
エッセイスト、器と生活道具の店「in-kyo」店主。2016年、福島県三春町に仕事と暮らしの拠点を移し、店舗も東京・蔵前から移転。近著に福島での暮らしや季節の行事、心地よい時間の流れを綴った『三春タイムズ』(信陽堂)がある。https://note.com/hasegawa_chie/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです