夫で写真家・デザイナーの前田景さんとともに、東京から北海道・美瑛町に移住した料理家のたかはしよしこさん。豊かな自然に囲まれながら、自家製の野菜やハーブで新しいレシピを生み出すたかはしさんの、暮らしの手づくりアイデアを見せてもらいました。
(『天然生活』2020年11月号掲載)
(『天然生活』2020年11月号掲載)
たかはしさんの手づくりアイデア 1
シロップにして香りを閉じ込める
庭の旬の香りを、シロップにして楽しんでいたよしこさん。
ニューサマーオレンジにはラベンダー、さくらんぼにはバラ、ニセアカシアの花には青山椒の実を合わせ、甘味のなかに少しキリッとしたアクセントを忍ばせていました。
オレンジと青山椒以外は、すべて敷地内で採れたものです。
「炭酸水で割るほか、ニセアカシアのシロップは、かき氷やミルクプリンにかけてもおいしいです」
たかはしさんの手づくりアイデア 2
ドライにして楽しむ
ご自宅のリビングの端には、収穫したハーブが広げられ、まさに乾燥中の状態でした。
「ヨモギは、地元の方に教えてもらい、春の柔らかな新芽の時季に摘んで、すでにドライになったもの。この時季のヨモギが、えぐみがなくておいしいんです。熱湯を注いでつくるヨモギティーは、ほっとできるやさしい味わいなので、よく夜に飲んでいます。来春はもっとたくさん摘みたいなあ」
たかはしさんの手づくりアイデア 3
保存食にして長く慈しむ
「冬の収穫がない時季のことを思ってというのもありますが、とにかく一気に採れるから、普通に食べていたら追いつかないんです」
移住してから、保存食にも意識が向くようになりました。
「ハスカップの塩漬けは梅干し感覚でおにぎりの具に、ニセアカシアの甘酢漬けはガリのような感覚で、ごはんに混ぜたり、マリネのトッピングにしたり。チャイブはきざみねぎの感覚で使っています」
〈撮影/前田 景 取材・文/遊馬里江〉
たかはし・よしこ
料理家。S/S/A/W主宰。かけるだけでおいしくなる「エジプト塩」はじめ、数々の調味料も考案。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです