• カウンセラーの伊藤絵美さんに、ストレスと上手に付き合い、心をケアする方法を教えていただきました。心と体の状態に目を向け、気になることを書き出したら、今度は心が落ち着く方法をたくさん試してみましょう。好きな香りをかいだり、気持ちのよい布にくるまってみたり、自分なりのリラックス方法を見つけましょう。
    (別冊天然生活『これまでも、これからも 歳を重ねて楽しむ暮らし vol.2』より)

    ストレス社会で、自分をケアする心の整理術

    日々感じている対人関係のもやもや、仕事のイライラ。

    カウンセラー歴30年の伊藤絵美さんに、ストレスとうまく付き合い、心を整えるセルフケアの「3ステップ」を教わりました。

    ステップ1〈目を向ける〉「体と心の調子をチェックする」

    ステップ2〈外に出す〉「気になることを書き出す」

    ステップ3〈ケアする〉「落ち着く方法をたくさん見つける」

    ステップ1では、体と心の調子を点数をつけて記録することを、ステップ2ではネガティブな感情も含め、気になっていることを正直に書き出すことを紹介しました。

    本記事では、ステップ3「落ち着く方法をたくさん見つける」について紹介します。

    Step3 ケアする
    落ち着く方法をたくさん見つけましょう

    自分なりのリフレッシュ方法をもつ人は多いと思いますが、それを「意図的に」実践することが、このステップの大きなポイント。

    たとえば、疲れきった日に、家族がつけていたテレビをだらだら見るより、「今日はバラエティを見て笑うぞ!」と意図的になったほうが納得感、満足度が高くなり、経験値としても残ります。

    ステップ1「体と心の調子をチェックする」、ステップ2「気になることを書き出す」、ステップ3「落ち着く方法をたくさん見つける」を意識して繰り返すことで、「この手のストレスは、この方法で解消できる」という自分助けのスキルが身につくのです。

    「ケアの方法は、多種多様なストレスに対処できるように、低コストなレパートリーをたくさん持っているのがベストです。

    たとえば、温泉旅行は年に何度もできませんが、入浴剤なら繰り返せます。また、お酒を飲みすぎるなど、あとで自己嫌悪になることは逆効果。健康や家計に悪影響を及ぼさない方法を集めていきましょう」

    なお、「だれかに相談する」ことも、重要なセルフケアの手段です。つらいときにはけっして自分をひとりにせず、専門家や機関を頼ることを忘れないでください。

    お気に入りの方法で、心と体をリラックス

    即効性はないけれど、ポイントを押さえて続ければ、確実に効果が。

    ケアの方法=自分のお守りを、楽しみながら集めていきましょう。

    おすすめのリラックス方法

    心がザワザワするときには、ひとまず落ち着かせることが大切。

    いくつかの方法を組み合わせても

     好きな香りをかぐ

    画像1: おすすめのリラックス方法

    エッセンシャルオイルを使ったアロマセラピーは、老若男女問わず有効な方法。なかでもリラクゼーション効果が高いのは、ラベンダー、ベルガモット、カモミール、ローズウッドなど。

     大きくため息をつく

    画像2: おすすめのリラックス方法

    ため息は人前でするとマイナスなイメージだけれど、実は心身の緊張がほぐれる最強のセルフケア。呼吸法を学ぶより簡単で、大きなため息を繰り返すことで呼吸が深まっていく。

     気持ちよい布にくるまる

    画像3: おすすめのリラックス方法

    やわらかくて大きな布にくるまれると、安心して気持ちが落ち着いてくるもの。体を丸めてラクな姿勢で座り、ストール、毛布などを巻きつけてゆっくり過ごして。

     キャンドルをたく

    画像4: おすすめのリラックス方法

    炎のゆらぎには、いやしの効果が。静かな部屋にキャンドルを灯し、ボーッと眺めれば無心になれる。アロマキャンドルを使えば香りの効果も。

     体をなでる、トントンする

    画像5: おすすめのリラックス方法

    目をつむり、自分の手のひらで体のどこかをトントンとたたきながら、数字を数えて気持ちを鎮める。または、やさしくなでてみても。手のひらの重さや温かさを感じながらしばらく続ける。

     クッションを抱きしめる

    画像6: おすすめのリラックス方法

    「抱きしめる」という行為が、人を落ち着かせるのだそう。クッションやぬいぐるみ、丸めた布団など、両手で囲めるようなサイズのものをぎゅーっと抱きしめる。もちろんペットや家族でも。

    ポイント

    ●「ケアしよう」と意図的になる

    ● 低コスト&後悔しないものにする

    ● ささやかな方法を、たくさん用意し、地道に続ける


    > 好きなものを見つけたり、気晴らしをしたりすることも心のケアにつながります。次回も引き続き、「心を落ち着ける方法」を紹介します。



    〈監修/伊藤絵美 イラスト/にしごりるみ 構成・文/石川理恵〉

    本記事は別冊天然生活『これまでも、これからも 歳を重ねて楽しむ暮らし vol.2』からの抜粋です

    別冊天然生活『これまでも、これからも 歳を重ねて楽しむ暮らし vol.2』

    『これまでも、これからも 歳を重ねて楽しむ暮らし vol.2』(扶桑社)

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    伊藤絵美(いとう・えみ)
    カウンセラー、公認心理師、臨床心理士。認知行動療法の専門家として多数の著書を持つほか、近著『セルフケアの道具箱』(晶文社)では、自分をケアするための100個のワークを紹介。同療法を広く活用するためのオンラインワークショップも開催している。

    洗足ストレスコーピング・サポートオフィス
    https://www.stress-coping.com/



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