(『天然生活』2024年1月号掲載)
自分にも家族にもわかりやすくて、使いやすい収納法に
京町家に暮らして15年。
そもそも収納が少ないつくりのため、物を減らさざるを得なかったと話します。
「収納が少ないうえに、しまい込むと家族が使いづらくなるため、基本的に見える収納です。扉のある水屋箪笥もありますが、オープンラックにかごなどを組み合わせるのが多いですね。なるべくすっきりするよう心がけています」
そんな美濃羽さん、コロナをきっかけに家事を自分ひとりで背負うのが無理!となり、夫や子どもたちとシェアするようになったそう。
「家事も片づけも、それぞれのペースや、やりやすいシステムがあるので、自分の考えを押し付けるのではなく、模索しながらやっています。家族の成長とともに片づけの方法も変わるので、臨機応変にやっていけたらいいですね」
美濃羽さんの「片づけでやめたこと」01
隠す収納
もともと私が片づけ下手なこともあり、ごちゃついたところに布をかけてごまかしていました。
でも、パッと見て何がどこにあるのかわからず、夫や子どもたちが使いづらいとわかり、やめました。
いまは、かごなどを使って、できるだけ見せる収納にしています。
すると、私自身も使いやすくなり、物の管理もしやすくなりました。
美濃羽さんの「片づけでやめたこと」02
収納グッズを買う
片づけるなら収納グッズを買わなくちゃ!と思っていたこともありますが、そもそも、すっきりさせたいのに物を増やすということに疑問を感じ、家にある物で代用できないかと考えるようになりました。
たとえば、ラベルシールは付箋で、仕切りはブックエンドなどで。
そのうえで、どうしても必要な物は買い求めます。
美濃羽さんの「片づけでやめたこと」03
銘々の箸をそろえる
子どもたちが大きくなったこともあり、銘々箸をやめて「竹一番」の使い捨て箸を使い捨てずに繰り返し使っています。
塗装がなく、箸先が細いため盛りつけにも便利。
カトラリーもすっきりしました。
ただし、カビやすいのでしっかり乾かすよう気をつけています。
料理家の大原千鶴さんが紹介しているのを見て使い始めました。
美濃羽さんの「片づけでやめたこと」04
洗濯ものをたたむ
町家に引っ越してから収納場所が減ったこともあり、衣類は階段下のスペースに家族分まとめて収納しています。
そのため、トップスやボトムスは乾かす際にかけたハンガーのまま、下着類は洗ったまま引き出しに放り込んでいます。
また、自分の夏の靴下はあえて同じものを何足かまとめて買い、組にしなくてもOKとしています。
美濃羽さんの「片づけでやめたこと」05
道具をたくさん持つ
台所用品の収納があふれてしまい、すべて出してみると同じ用途に使う物がいくつも出てきました。
たとえば、お玉。
使うのはひとつなのに、私と夫のひとり暮らし時代の物など、むだに場所を取っていました。
そこで、本当に使う1軍ものだけに絞って見せる収納に変更。
スペースにも余裕が出てうんと使いやすくなりました。
美濃羽さんの「一度はやめたけれど続けていること」
中性洗剤を使う
粉石けんのひと手間をかけること(泡立てる、ほかの洗剤と組み合わせるなど)が好きで、台所や洗濯の洗剤を石けんに切り替えましたが、家族と家事をシェアするために、使いやすい中性洗剤に戻しました。
また自分でやるようになったら石けんを使いたいと思っています。
洗剤は環境に負荷のないココナッツ洗剤を使っています。
〈イラスト/須山奈津希 構成・文/結城 歩〉
美濃羽まゆみ(みのわ・まゆみ)
ハンドメイドの洋服のブランド「FU-KO Basics」主宰。築100年ほどの京町家に暮らし、手づくりのある暮らしのアイデアを発信。https://fukohm.exblog.jp/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです