(『天然生活』2024年1月号掲載)
「もてなす」心から生まれる、ギャラリー兼住まいの整え方
子育てが一段落した40代半ばを過ぎたころ、神奈川県葉山の高台に、ギャラリーを兼ねた家を建てた江波戸玲子さん。
家族と住む都内の自宅からの行き来を続けながら、還暦を過ぎたいまは、月の半分をこの家で暮らしています。
「日用品のほとんどは都内の家に。だからすっきり暮らせてありがたいわよね」と笑いますが、人とものの出入りのある展覧会やイベントから、ふだんの住まいに戻すときにはさまざまに心がけています。
大切にしているのは「もてなす」気持ち。そこから発想して整える。
サニタリーやキッチンなど、ゲストが使う場所を整えるのはもちろんですが、「うちで一番のもてなしといえば、窓からの風景」と江波戸さん。
「庭を眺めながらゆったりと過ごしていただきたいから、ほどよく手入れをしています。そして、もてなす側の私があくせくしないことも大切だと思っていて。ゲストにもわかりやすく収納しているのもそんな理由からでしょうか。パーティのときはカウンターを囲んで、それぞれが食器を出したり、料理をつくったり、洗い物をしたり。私はお客さまとお話しする係に徹しています」
すっきり整える
もてなしの気持ちを大切にする
ゲストが心地よく過ごせるように、一番目に入る場所やゲストも使う場所をきれいにすることを心がけて。江波戸さんの葉山の家の場合は庭。
リビングからの庭の眺めがおもてなしになるので、小まめに手入れをしています。
また、キッチンや洗面もよく使う場所なので清潔を保って。人の快・不快を左右する場所を重点的に。
すっきり整える
お客さまにもわかりやすい収納
「人が集まるときは、ゲストの方も準備から参加型なんです」
だれでもわかりやすく、取り出しやすい場所に食器類を置くことで、率先して手伝ってくれるそう。
「招き入れる側は会話も大事な仕事。あれもこれもと自分で抱えるのではなく、上手に手放す。ゲストも使いやすければ、準備から片づけまでスムーズなんです」
<撮影/砂原 文 取材・文/竹田理紀>
江波戸玲子(えばと・れいこ)
「PONNALET(ポンナレット)」主宰。ラオス、カンボジアの手織り布にみせられ、オリジナル着尺、帯、小物などを自身のギャラリー「PONNALET葉山の家」や全国のイベントなどで展示販売。また、葉山の家ではさまざまなアーティストの展覧会やイベントなども開催している。http://www.ponnalet.com/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです