*上の写真は、子どものおもちゃケース。バッグ型なら片付けが楽しく移動も楽ちんです。布は丈夫でくり返し洗濯できる厚手のコットン地で、当たっても痛くないよう裏袋にふっくらとするドミット芯を接着。持ち手は入れ口に沿わせ、置いたときにものを引っ掛けない工夫を。
(かわいきみ子・著『好きな布、ほしいサイズ、シーンに合わせて使える わたしのトートバッグ』より)
かわいさんがトートバッグを愛用している一番の理由は、ものの出し入れが便利なところ。
手づくりすることが多く、「角形の袋に持ち手が2本」というベースの形があるから、気軽に取りかかれるのも魅力だといいます。
「日々の買い物や友人とランチ、散歩に旅行……。持ちたいシーンが違えば、使いやすいデザインは変わるもの。でも探すのと同じ時間と手間で、自分好みのひとつができると思うとワクワクするんです。袋のサイズ、持ち手の位置と長さ、ポケットの有無といった形を考え、布の素材も綿や麻、ポリエステル、撥水性があるものなど用途によって吟味します」
そうして生まれたバッグのなかには、内側にボトルホルダーをつけたもの、サイズ感や持ち方を変えられる2wayも。また、素材はメインにレザーを選んだり、既成のテープや持ち手、ネットを活用したり。
愛着が持てることもちろん、「どこで買ったの?」と聞かれるような仕上がりを目指し、あれこれアイデアをめぐらせるが楽しいそう。
「中身の出し入れだけでなく持ち運びが楽なので、インテリアにもおすすめです。私は探しがちな小物や、まとまると重い雑誌の整頓に重宝しています。一回つくれば、おそろいも模様替えも気負いなくできますしね」
小さめや、ごくシンプルなものなら1日で完成して、すぐ使えるトートバッグ。
好きな布やサイズ、さらに使う場面をイメージしてつくれば、ますます頼れるマイ定番になるはずです。
<撮影/砂原 文 取材・文/高井法子>
かわい きみ子(かわい・きみこ)
テレビや書籍、雑誌、個展にて、洋裁と手芸の幅広い手法を取り入れた作品を発表するデザイナー。 『イチバン親切なソーイングの教科書』(新星出版社)をはじめとする、初心者にもやさしい、数々の入門書やワークショップで人気を集める。4月に『女の子と男の子のおでかけ服』(主婦と生活社)が発売したばかり。5/16発売の新著『わたしのトートバッグ』(家の光協会)では、素材、サイズ、用途いろいろのトートバッグのつくり方を多数紹介している。