今春、東京から、北海道・美瑛町に引っ越してきたよしこさん。
大都会から田舎暮らしと、周囲の環境はなかなかの変わり様ですが、雄大な自然にひるむどころか、もうすっかり仲良しのご様子だったのが印象的でした。
まるで戯れるように、目の前の豊かな自然と、植物との暮らしを、その姿が眩しいぐらいに楽しんでいらっしゃいましたよ。
「どれにします？」
午前10時過ぎ。
取材に伺って早々、よしこさんがすすめてくださったのが、今回、表紙にもなった、香るシロップ三姉妹でした。
今までに見たこともなければ、口にしたこともなかったニセアカシアに惹かれてお願いするとシロップを炭酸水で割り、すだちを浮かべて出してくださいます。
それは例えるなら、夢見る乙女のような、とてもロマンティックな香り？
「ニセアカシアだけだと甘くなりすぎるので、青山椒の実を加えて、少しキリッとさせてみました」とおっしゃるように、とても甘やかで優美な香り。すだちの酸味がたっていました。
お砂糖は、美瑛町でも生産が盛んな、甜菜糖で仕込んでいるそうです。
「ニセアカシアの花は天ぷらにして食べると聞いたので、まず食べられるんだなぁと。でも匂いをかいでみたら、とっても素敵な香りがするので、シロップにしてみたんです」。
次々に花を咲かせ、実をつける植物を前に、どうやらよしこさんの頭の中にも、料理のインスピレーションがむくむくと湧いては次々と花開いていくようです。
今月号では、そんなよしこさんの「手づくりを楽しむ暮らし」についてお話をお聞きしましたが、北海道の香りといえば、な、ラベンダー香る二品のレシピも教えていただきましたよ。
私はちゃっかりお土産に、お庭で採れたラベンダーにブルーベリーもいただいたので、一足お先に作ってみました。
さあて、何ができるでしょう？
ラベンダーは、製菓材料店など、オンラインショップでも手軽に入るので、ぜひ本誌を見ながら作ってみてくださいね。
〈取材・文／遊馬里江〉
