(『天然生活』2015年3月号掲載)
「もやもや」を片づける8つの整理術
整理術 1
手紙類はノートに貼って一冊の「思い出帖」に
親友から月一回のペースで届く手紙、旅行のときの地図、楽しかったイベントのチケット……。どうしても捨てられない思い出のカケラは、ノートに貼って保存。
「自分に関するいろいろな話や情報が詰まっていて、雑誌みたいで面白いです」
散在しがちなメモやタグも、一括でこのノートにペタリ。なんでもないような情報も、改めて見返すと、意外に面白いもの。3年くらい前から始めて、いまでは2冊目に。どれも、すぐに取り出せる場所にしまってあります。
Goods 1
ツバメノート
「思い出帖」用のノートはツバメノートと決めて、ストック。A4よりひとまわり大きいサイズのもの。A4サイズの便箋やプリント類もそのまま貼れるのがいいのだとか。
整理術 2
小さな物にも「住所」をつくる収納作業
文房具類が入った引き出し、アクセサリーボックスなど、収納が完結している場所は、これを機に見直してみましょう。ごちゃっと物が入っていて、取り出すときにイライラしていませんか?
収納場所に仕切りをつくって、細かい収納物一個一個に戻る「住所」をつくってあげると、片づけやすいのです。
「収納用品はわざわざ買わず、家にあるもので探すといいですよ」
お菓子や雑貨の空き箱、別の場所で使わなくなった仕切りトレイ。ぴったりのサイズを探してみて。
Goods 2
無印良品のトレイ
仕切り用に多用しているのが、無印良品のトレイたち。「丸っぽい形より、四角いほうがスペースを有効活用しやすいです」。仕切りがあるものや極小のものまで、種類が豊富。
整理術 3
写真はプリントしてホームギャラリーに
場所をとるわけではありませんが日々たまっていく写真データは、ストレスの元。本多さんは「年」→「月」と、定期的にフォルダー分けしています。
また、旅やキャンプに行くたびに、6~8枚の写真をコラージュしてA4サイズのシートにプリントアウト。トイレの壁に貼ることにしました。
「トイレに入るたび思い出を堪能できるし、見た夫との会話も弾む。写真と向き合う時間ができるのもいいです」
プリントは、ファイリングしてアルバムとしても楽しめます。
整理術 4
雑誌類は定期的に「4段階チェック」を
増えていく雑誌類。所有するのはソファの横の棚に入るだけ、と決めています。
「この棚に入らなくなったら、それは量を見直す合図。全部を取り出して、①残す、②古本屋に売る、③スクラップして処分、④処分と、4つのカテゴリーに分けるようにしています。古本屋はブックオフを利用していますが、“ブックオフ袋” をつくり、そこにためています」
雑誌棚は、元はソファの下にありましたが、肘掛けの上に移動したら、読む機会が圧倒的に増えました。
整理術 5
「手紙セット」で瞬発力向上を
本多さんが大切にしているのは、「暮らしの瞬発力」。思い立ったら即、行動に移せるスムーズさです。
「お世話になった方に、きちんとお礼の手紙を書けるようになりたいと思って」
便箋、封筒、カード、はがき……手紙に関する道具をクリアファイルに種類ごとに収納。手紙を書こうと思ったら、このファイルから好みのデザインを選べばいいのです。
また、カフェなどははがきをさっと書くのにちょうどいい場所。それを習慣化したくて、切手を貼ったはがきを何枚か持ち歩くようにしています。
整理術 6
食材ストックは在庫を「見える化」
夜の片づけに適している場所として、「冷蔵庫」を挙げてくれました。入っているものを、その場所以外に移動することがないからです。
「買った野菜は袋から出して、ジッパー付き保存袋に入れ直します。鮮度が長持ちするし、在庫がどれくらいあるかわかり、むだがなくなるのです」
乾物類も透明の瓶に入れて、ひと目で何がどれだけあるかをわかるように。瓶のふたにラベリングをすれば見やすくなります。
本多さんは、さらに、開封日もシールに明記して貼っています。
Goods 3
テプラ
ラベリングに使っているのが、キングジムのテプラ。手書きでもいいけれど、見た目を統一できるので、並んだときにきれい。このひと手間が、美しい収納をつくり出す。
Goods 4
ジッパー付き保存袋
冷蔵庫で大活躍のジッパー付きのフリーザーバッグ。野菜は袋から出し、この保存袋に入れ替える。余裕があるときは、洗って、適度な大きさに切って、下ごしらえも。
整理術 7
事務書類こそ見やすく整理・分類
レシートや支払い明細書などは、日々、増えていくもの。ある程度たまったら、月ごとに分ける、ノートに貼る、などの処理をコマメに。
本多さんは、仕事関係の書類を出版社や、「整理収納サービス」に分けてファイリングして、一カ所に収納。
「行政からのお知らせなどの書類は、なんとなく取っておきがちですけれど、よく読むと、たいてい重要じゃないんですよね。なので、一読して必要な情報を取り込んだら、どんどん処分することが大事です」
整理術 8
手にした情報は取り出しやすいよう保存
本多さんが持ち歩く手帳には、ありとあらゆる情報がストックされています。
「これ一冊あれば大丈夫、というのが理想」
“ショップ” という項目には、泊まってみたい宿、行きたい店など、地域別に付箋メモが貼られています。
「人との会話でお勧めを聞いて、そのときは覚えていても忘れちゃうじゃないですか。だからメモしてひとまとめにしてあります」
付箋メモだと、移動もしやすく、消化した情報は、はがすだけでOK。見た目もすっきり統一されています。
Goods 5
全面のり付箋
全面を接着できるようになっている付箋。要は、貼ってはがせる小さなメモ。「以前は普通の付箋を使っていたのですが、片方がペラペラするのが気になって。これは便利です」
〈撮影/中島千絵美 構成・文/鈴木麻子(fika)〉
本多さおり(ほんだ・さおり)
整理収納コンサルタント。片づけがラクに続く収納の仕組みや、暮らしをラクにまわすための工夫を提案。新刊『暮らしをまわす ―ためず、まよわず、よどみなく―』(エクスナレッジ) amazonで見る が1月23日に発売。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです