• 『天然生活』4月号でチェコ人の父のルーツにまつわる「受け継いできたもの」をご紹介いただいた、料理家のワインあけびさんに、母・悦子さんとの思い出の品や、曽祖母から受け継いだ料理のレシピを紹介してもらいます。

    母の手製の包丁入れと「夜なべセリーヌ」

    包丁入れ

    画像1: 包丁入れ
    画像2: 包丁入れ

    包丁入れは私がイタリアへ修行に行くと決まってから、母が作ってくれました。仔牛の革でできていて、しっかりと包丁を包んでくれています。

    デザインは希望のイメージを母に伝え、そこから少しずつ相談しながらアイディアを詰めました。ギリシャの山羊の毛の敷物を長年織っている彼女の手は力強く、夜中に錐とハンマーで革に穴を開けていた姿を思い出します。

    最初はばりっとしていて硬かった生地も使っていくうちにどんどん手になじんできました。

    見た目以上にずっしりと重く、しっかりとした存在感があります。私の大切な仕事道具です。

    「夜なべセリーヌ」

    画像: 「夜なべセリーヌ」

    バッグは、私がまだパリにいたころ、母が包丁入れと同じ革から作ってくれたものです。デザインの参考にしたのは、セリーヌのバッグ。内側には柿渋が塗ってあります。

    母さんが夜なべして作ってくれた、「夜なべセリーヌ」は、どれだけ物を入れても壊れない魔法のバッグで、買い出しに重宝しています。

    グラーシュのつくり方(曽祖母のレシピをベースに)

    画像: グラーシュのつくり方(曽祖母のレシピをベースに)

    材料(つくりやすい分量)

    ● 牛もも肉560g(スネ肉でも)
    ● 玉ねぎ560g
    ● 塩小さじ1
    ● EXVオリーブオイル大さじ2
    ● バター10g
    ● 塩胡椒適量
    ● パプリカパウダー大さじ3
    ● クミンシード2つまみ
    ● 水1.5L
    ● トマトピュレ大さじ1
    ● マジョラム(ドライ)適量
    ● チリパウダー少々(好みで)
    画像: 材料(つくりやすい分量)

    下準備

    ・牛もも肉は大きめのひと口大に切る

    ・玉ねぎはみじん切りにする

    つくり方

     鍋を弱めの中火にかけ、オリーブオイルとバターを入れて溶かす。

     玉ねぎと塩を加えてざっと混ぜてから蓋をして汗をかかせる。しっとりして
    きたら蓋を取って、きつね色になるまで炒める。

     にパプリカパウダーを加え、クミンを指ですりつぶしながら加える。香りが
    たったら、塩胡椒した肉を加える。肉の色がしっかりと変わるまで強めの中火で炒め
    る。

     に分量の水とトマトピュレ、マジョラムを加えて少し火を弱めて1時間半を
    めやすに肉がやわらかくなるまで煮込む。好みでチリパウダーを加える。

     

    ※ ワインあけびさんの「家族から受け継いだもの」は、『天然生活』2021年4月号の66-67ページに掲載しています。



    〈料理/ワインあけび 撮影/在本彌生 取材・文/玉木美企子〉

    画像: つくり方

    わいん・あけび/料理
    料理家。長野県生まれ、長野県育ち。フランスとイタリアで15年暮らしたのち、2019年日本で活動を開始。
    インスタグラム:@akebiwe

    在本彌生(ありもと・やよい)/撮影
    東京生まれ。外資系航空会社で乗務員として勤務するなかで写真と出会い、2006年より本格的に活動を開始。著作に『私の獣たち』(青幻舎)など。『CALICOのインド手仕事布案内』 amazonで見る では写真を担当している。



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