• 歳を重ねて、「あ~そういうことだったのか!」と「はたとわかる」ことがあります。編集者・ライターの一田憲子さんが、50代になったいま、悩んだり迷ったりしていた20代のときの自分に伝えたいこと。今回は、部屋をきれいにするために必要なことのお話です。
    (『もっと早く言ってよ。50代の私から20代の私に伝えたいこと』より)

    [20代の私]
    大雑把だから、掃除が苦手。でもすっきりきれいに暮らしたい気持ちは満々。

    [50代の私が伝えたいこと]
    「こんな私でもできること」を見つけたら、部屋はきっときれいになる。

    できることを見つけたら、部屋はきっときれいになる

    画像: できることを見つけたら、部屋はきっときれいになる

    部屋をきれいにキープするなら、几帳面にならなくちゃと思っていませんか?

    でもね、大雑把な人が、その性格を変えるなんて所詮無理! 「頑張って掃除する」のでは、絶対に続かないんだよね。私は何度も失敗を繰り返し、ようやくそのことがわかってきました。

    部屋をきれいにしたいなら、「こんな私でも」続けられることを見つけることがいちばんの近道。

    まずは「汚れる前」に「汚れない」工夫をしておくのがおすすめです。「どうして汚れるのか?」をよ〜く観察してみます。

    洗面所に置きっぱなしの歯磨きカップ。ハッと気づいたら、裏がヌルヌルで、中に黒いカビの点々が……。その原因は、常に水で濡れているから。だったら、からりと乾かせばいい。

    そこで「マーナ」の吸盤付きスタンドを洗面ボウル上の壁面に取り付け、カップを逆さまにしてひっかけられるようにしたら、ヌルヌルドロドロから解放されました。

    自分の暮らしにフィットするものは、時間をかけなくちゃ見つからない

    こんなふうに「手間なくきれい」をキープしてくれるグッズを見つけ出すとラクチン。でも、すぐにいいものと出合えるわけじゃないんだよね。

    実は、歯磨き用カップも、ずいぶん時間をかけて探しました。

    プラスチックではないものがいいなあと、ガラスのコップを選んだら、水道水のカルキのせいで白く曇ってきたんだよね。次は木製のカップにしたんだけれど、黒いカビが発生……。こりゃいかんと、「無印良品」で真っ白な陶器のカップを見つけて、今はコレをリピート買いするようになりました。

    キッチンではずっと「ラバーゼ」の水切りかごを使っていましたが、どうしてもステンレスのワイヤーの間に白い水垢(みずあか)がたまってしまうんだよね。一日の最後にきちんと拭いて、乾かせばいいんだけれど、疲れているとついサボりがち……。

    一度ついた水垢は、たわしでこすっても落ちません。そこで、もう水切りかごを使うのはやめよう!とマイクロファイバークロスで作られた吸水性のいい水切りマットを買ってみました。ところが……。今度は水分をたっぷり吸ったマットを乾かすのが大変! 

    これじゃあ、かえって清潔に保つのが大変じゃん!とさらに探して、やっとシリコン素材のラックを見つけました。使わない時はくるくる巻けば場所を取らないし、手入れが簡単!

    こんなふうに自分の暮らしにフィットするものは、時間をかけなくちゃ見つからないんだよね。「すぐに欲しがり」の私は、この頃やっとその時間を待てるようになりました。

    心地よく暮らすために、「罪悪感」を手放す

    画像: 心地よく暮らすために、「罪悪感」を手放す

    丁寧な暮らしをするには「雑巾で水拭きしなくちゃ」って思ってない? でもね、そこまで自分を信頼しちゃダメだよ。毎日丁寧に雑巾で水拭きできると思う? できないよね〜(笑)。

    私は、部屋のホコリは、「クイックルワイパー」のハンディタイプのモフモフでさ〜っとなでるだけ。書斎のデスクの上は、毎朝仕事を始める前に厚手のウェットティッシュで拭いています。「雑巾」を手放したら、洗う手間がないので、気楽に毎日続けられるようになり、ホコリがたまることはありません。

    掃除を無理なく一日の流れに組み込むことも、なかなか有効です。「ここから掃除時間」と決めてしまうと、「あ〜あ」と気が重くなるでしょう?

    そんな時には、掃除を小分けにして、「いつも」の中にちりばめてみればどうかな。

    朝起きて顔を洗い終わったら、洗面ボウルに洗剤をシュシュッとスプレーしてマイクロファイバークロスでひとなでし、シャワーで流して終了。洗顔、歯磨きと掃除をセットにしたら、いつも洗面ボウルをピカピカに保つことができるようになりました。

    心地よく暮らすために必要なことは「罪悪感」を手放すことなんじゃないかなあ。

    掃除には「正しい」「間違い」なんて区別はないはず。だから「こうじゃなきゃ」という思い込みを捨てて、誰かに「え〜、そんな方法で!」と言われたって気にせずに、「これでいいじゃん!」と自分で自分の部屋を心地よく整えるオリジナルな方法を生み出すことが大事。

    暮らしを作るって、とてもクリエイティブなことなんだと思います。

    本記事は『もっと早く言ってよ。50代の私から20代の私に伝えたいこと』(扶桑社)からの抜粋です



    一田憲子(いちだ・のりこ)
    1964年生まれ。 編集者、 ライター。 OLを経て編集プロダクションへ転職後、フリーライターとして数々の書籍や雑誌で活躍。 取材やイベントで全国を飛び回り、 著名人から一般人まで、 これまで数多くのインタビュー取材を行い、 その独自の筆致には定評がある。近著は『もっと早く言ってよ。50代の私から20代の私に伝えたいこと』(扶桑社)。ホームページ「外の音、 内の香 (そとのね、うちのか)」では、暮らしの知恵を綴っている(https://ichidanoriko.com/)

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    『もっと早く言ってよ。50代の私から20代の私に伝えたいこと』(扶桑社)

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    『もっと早く言ってよ。50代の私から20代の私に伝えたいこと』(扶桑社)|amazon.co.jp

    50代になったイチダさんが「はたとわかった」これからの人生を豊かにする40のことを紹介。

    「この本では、50代の今の私が『わかった』ことを、20代だった私に語りかける形で綴ってみました。私と同世代の方には『そうそう!』と共感していただけるかもしれません。20代、30代のまだ惑いの中にいる方には、不安や悩みを少し和らげるちょっとしたヒントになるかもしれません。」(一田憲子さん はじめにより)



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