(『天然生活』2020年9月号掲載)
買う理由を考えて、ふだんの買い物を見直す
日々、何かしら買い物をして生活している私たち。ふだん、あまり意識せずに購入している商品が、本当に自分の価値観に合っているのか、もう一度、じっくりと見直してみましょう。
セールで安かったから。今年の流行だから。あると便利そうだから……。お金を使うとき、深く考えずに気分に流されて購入しているもの、意外と多いのではないでしょうか。
「大切なのは何気なく買うのではなく、自分なりの基準を持つことです。自分にとって大事なことを基準にして選んだものなのか、これは自分の幸せにつながるのか、立ち止まって考えてみましょう」と藤原さん。
たとえば……洗剤を買うとき
どちらを選んでますか?
ふだんの生活のなかで、何気なく選んでいるもの。本当にいまの自分や未来にとって幸せなものを選んでいますか?
[砂糖]
未精製の 茶色い砂糖
てんさい糖や黒糖はミネラルやビタミンを多く含み、血糖値の上昇がゆっくりで体にもやさしい。
精製された 白い砂糖
人工的に精製することで安価で大量に生産できる。手軽で便利だが、体を冷やすことにも。
[味噌]
自然発酵で時間をかけてつくられた味噌
じっくりと時間をかけて大豆を発酵。菌が生きていて発酵しつづけ、素材のうま味を引き出す味噌。
人工的に短時間でつくられた味噌
加温して短期間でつくる「速醸法」の味噌。添加物が多いが、だし入りなど、時短料理にも便利。
[シャンプー]
自然素材を使ったシャンプー
自然素材のシャンプーは、肌にやさしいだけでなく、水で流したあとの環境への負荷が少ない。
石油系の素材を使ったシャンプー
さまざまな香りや効果があり、自分好みで選ぶことができる。化学物質を多く含み、洗浄力は強め。
[洋服]
小さなメゾンの服
素材やデザイン、縫製にこだわりを持ち、必要な枚数を見越してていねいに生産。長く着られる。
ファストファッションの服
短いサイクルで流行のファッションを手軽な価格で楽しめる。大量消費前提で廃棄量の多さが課題。
※ ※ ※
買うときにAとBの商品を比較して考えるクセを持つようにするのがおすすめ。
どうしてBではなくてAが欲しいのか。値段、量、生産者、環境負荷、人権への配慮など、自分なりの選択基準が見えてきます。
〈監修/藤原ひろのぶ イラスト/山元かえ 取材・文/工藤千秋〉
藤原ひろのぶ(ふじわら・ひろのぶ)
NPO法人「NGO GOODEARTH」代表。貧困や環境問題に取り組み、日本で講演をしながら、バングラデシュで食事の提供と学校建設を行う。共著に『買いものは投票なんだ』(フォレスト出版)がある。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです