いかの薬膳的効能ついて
意外かもしれませんが、いかは女性にとくにおすすめの食材です。
血を補ったり月経を調節したりする働きがあるとされ、月経不順や不正出血、貧血などの女性のトラブルの強い味方になってくれそうです。
なお、いかにはアニサキスなどが寄生していることもあります。しっかりと目視で確認したり、いかの身を細かく刻んだり、でき上がった塩辛を一度冷凍してから冷蔵庫で自然解凍していただくようにすれば安心です。
【発酵食】いかの塩辛のつくり方
ごはんのおともにも、お酒のあてにもぴったりな塩辛。
上級者向けに感じるかもしれませんが、ひと晩塩漬けしてこすだけですから、思っている以上に簡単にできます。
でき上がったらすぐに食べることができますが、ひと晩おいてからの方が味がなじんでおいしくなります。
今回のレシピでは、墨は使わずに取りのぞきましたが、墨もわた(肝臓)と一緒に混ぜ合わせた「黒造り」にすると、より濃厚な味わいになります。また、げそ(足)とエンペラ(三角形の部分)は食感がかたくなるので、別の料理に使うのをおすすめします。
材料(つくりやすい量)
● するめいか | 1ぱい |
● 塩 | 適量 |
つくり方
1 いかは足を持ち、胴体から足を内臓ごと引き抜く。墨袋(黒い筋)は破れないよう、ゆっくり引っ張ってはがす。目の上に包丁を入れて、げそとわたを切り離す。わた以外の余分な内臓や目の上の頭部分も手でやさしくのぞく。
2 胴は軟骨を取り除き、エンペラはつけ根の部分をふきんで持って身からはずし、そのまま皮をはがす。皮が残ったら、ふきんでこすってきれいにはがす。胴を切り開いてよく洗い、水けをふいて軽く塩をふり、ざるにのせる。わたはたっぷりと塩をふり、皿にのせて胴とともに冷蔵庫でひと晩乾かす。
3 翌日、わたをさっと水で洗って塩を落とし、長さを半分に切る。ざるにのせ、へらなどを使ってわたの中身だけをしっかりしごき取る。
4 胴は縦2~3等分に切ってから、7mm幅に切り、3のわたと混ぜ合わせる。煮沸消毒した密閉性の高い容器に入れ、保存する。
※冷蔵庫で約1週間保存可能。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『季節のお漬けもの』、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」