私、宝箱を持っていたはずだ!
実家に帰っていました。1歳になる娘も一緒だったんですが、家の中の引き出しという引き出しを開けまくって大変でした。
家族の誰1人として中身を思い出せない、開かずの引き出しにまで手を出すので、怪我をしないか、それより変な物が出てこないか……2つの意味でハラハラしました。
そこから出てきたのは古い年賀状。両親宛てや私や弟宛ての物も律儀に取ってあり、懐かしい気持ちに。
こういう経験をすると、やっぱりアナログのハガキってのはいいなぁと思います。デジタルだとこうはいかないような。何年も前のメールを読み返すなんて、今まで一度もありませんもんね。
ま、なくても困らないんでしょうけど、なんかいいですよね。娘のおもちゃにもなるし……なんて考えていた時に思い出しました。私、宝箱を持っていたはずだ!
娘のおもちゃにはまだ早いですが、私、おもちゃの宝箱を持っていたんです。そこには小学生の頃に集めた宝物がたんまり詰め仕込んであるはず。あの頃の私はそれを先祖代々受け継いでいくべき価値のある宝箱として、とっても大事にしていたのです。あれはどこへ?
それはかつての私の部屋、今は母の部屋になっている学習机の奥の方につめしこまれていました。当時の輝きは消えていますが、今でも乙女心をくすぐるデザインにうっとりしました。
こちら、「レディレディ!!」というアニメで登場したオルゴール付き宝石箱と、鍵のロケット型ネックレスなのです。
これがまあ、私が通っていた幼稚園で爆発的な人気でして。女の子の憧れのおもちゃだったんです。
この鍵のネックレスなんて今見てもステキ。「ダイアモンドがこんなに付いてるよ!」と、じいちゃんに自慢した覚えがあります。
余談ですが、そんな幼稚園児の私に向かってじいちゃんは「ダイアモンドがこんなに安いわけねえべ!」と言って現実を教えてくれました。
言語化できませんでしたが、あの時の私の気持ちを代弁するなら、「なんてロマンチックじゃないことを言うのよ! 王子様ここから連れ出して!」だったと思います。
小学5年生の時に、お友達とお祭りの屋台で買った、名前を入れてくれるネックレスも出てきました。懐かしすぎて笑っちゃいました。永遠の友情を誓ってお揃いで買ったんです。
「久美子」って、ローマ字でこうやって書くんだ。と、大人になった気分だったなぁ。
この宝箱は娘がもう何年かしたら、絶対に食いつく品物だぞ。とニヤニヤしてしまいました。
名前入りネックレスだけは、今から自分で使おうかなと思っています。
白鳥久美子(しらとり・くみこ)
1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。