白菜の薬膳的効能ついて
白菜は11〜2月頃が旬で、寒さが厳しくなってくると甘味がグッと増してきます。
冬の野菜ですが、体を冷やす性質ですから、しっかり加熱したり、温める食材と一緒にとることをおすすめします。
その冷やす性質を生かして、風邪の熱を下げたり、喉の粘膜の炎症を鎮めたりすることにも利用されます。また、内臓にたまった熱、とくに胃腸の熱を取り去るとされるため、消化器の働きを正常化したり、便秘の改善にも役立つとされます。
ビタミンCや食物繊維、カリウムのほか、抗酸化作用や抗がん作用、インスリンの分泌促進作用があるセレンという有効成分を含んでいるのも特徴。セレンは生で食べるほうが摂取しやすく、漬物にするとかさが減ってたっぷり食べられるというメリットもあります。
【発酵料理】白菜漬けのつくり方
塩だけで乳酸発酵させる白菜漬けは、わが家の冬の食卓には欠かせない漬物のひとつです。シンプルなのにうま味と酸味のバランスが絶妙で、もうここ何年も、息子の好物ナンバー1の座を獲得しています。
塩で漬ける前に半日ほど天日で干すことと、おもしをしっかりすることがおいしく漬けるコツです。
白菜は自己消化酵素を持っているので、乳酸発酵が進んで酸っぱくなりやすいのですが、この酸っぱくなりすぎたものを液体ごと鍋やスープにするのが大好きです。ごま油で炒めたりしてもおいしいですよ。
とにかく簡単にできるので、冬の間に何度でも仕込んでみてください。
材料(つくりやすい分量)
●白菜 | 1/2個 |
●塩 | 白菜の重さの2.5% |
●ゆずの皮 | 1/4個分程度 |
●昆布 | 2.5cm角1枚 |
●赤唐辛子 | 1/2本 |
つくり方
1 白菜は芯の中央に切り目を入れ、手で半分に裂く。
2 よく洗ってざるなどに並べ、半日ほど天日に干す。干すと余分な水分が抜けて、甘みやうま味が凝縮する。
3 ゆずの皮は、白い部分がつかないよう薄くそいでせん切りに、昆布は細切りにして、塩を混ぜ合わせておく。
4 2の白菜を1枚ずつ開いて3を少しずつふる。
5 清潔な保存袋に白菜を詰め、種を取った赤唐辛子を加え、しっかりと空気を抜いて袋の口を閉じる。袋ごとボウルやホーローなどの容器に入れ、白菜の2倍程度のおもしを乗せる。袋の口から水がこぼれないように注意。暗くて涼しい場所やベランダなどに置く。
6 1〜2週間で好みの酸味になったら、おもしを取って冷蔵庫に移す。
※冷蔵庫で3週間〜1カ月ほど保存可能。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『季節のお漬けもの』、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」