大根の薬膳的効能ついて
栄養学でも、消化を助ける消化酵素が豊富で、消化を促進する作用があると認められている大根。
二日酔いなどの胸焼けや胃もたれを防ぐのに効果的です。
大根の辛み成分はイソチオシアネートと呼ばれるもので、抗菌作用や血液をさらさらにする作用があるとされます。
漬け床となる甘酒は、薬膳では体を温め、血のめぐりをよくし、生命エネルギーである気を補って元気にする食品とされます。
【発酵料理】べったら漬けのつくり方
江戸生まれの発酵食品、べったら漬け。白い麹をまとった大根は雪のように美しく、カリカリとした歯応えとまったりとした甘さが魅力の、冬においしい漬物です。
ただ、本格的なものだと下漬けに4〜5日ほどかかり、その後、塩抜きしてさらに天日に干して本漬け……と、なかなか手間も時間もかかります。白く仕上げるためには白砂糖もたっぷりと使います。
より手軽に、でもしっかり発酵させたべったらに仕上げるために、私は砂糖ではなく甘酒で仕込むようにしています。
少ない塩で下漬けも短時間ですみますし、甘すぎないのでさっぱりいただけておすすめですよ。
材料(つくりやすい分量)
●大根 | 500g |
●下漬け用の塩 | 20g(大根の重量の4%) |
●甘酒 | 適量 |
●塩 | ひとつまみ |
●赤とうがらし | 1本 |
●昆布5cm角 | 1枚 |
つくり方
1 大根は皮ごと縦半分に切る。皮はむかないほうが食感がいいけれど、好みでむいても。赤とうがらしは種をとって小口切りに、昆布は細切りにする。
2 ポリ袋などに1の大根を入れて、下漬け用の塩を全体にまぶし、袋の空気を抜いて口を閉じる。大根の重量の2倍の重石をのせ、2〜3日下漬けする。
3 大根から出た水分を捨て、水けをしっかりふき取る。
4 清潔な漬物用容器に3と赤とうがらし、昆布を加え、大根がかぶるぐらい甘酒を注ぎ、塩をふる。ラップなどで表面を覆い、ラップが浮かない程度の軽い重石をのせて、冷暗所で保存する。ひと晩おいたら食べられるが、3〜4日後が食べごろ。どんどん酸味が出てくるので、好みの味になったら冷蔵庫に移す。
※冷蔵庫で約3週間保存可能。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『季節のお漬けもの』、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」