たけのこの薬膳的効能ついて
たけのこは体内の余分な熱を冷まし、炎症を鎮める働きがあるため、熱による咳や痰、胃の熱による口の乾きや口内炎、胸のつかえ、大腸の熱による便秘などの改善に役立ちます。
また、水のめぐりをよくしてむくみを解消したり、水の滞りを解消する働きがあります。
豊富な食物繊維は、便秘の予防・改善、コレステロールや腸内の未消化物の排出にも効果が。
たけのこは不要なものを出すデトックス作用に優れた食材なのです。
ただし、食べすぎると消化が悪くなったり、体を冷やしすぎたりしてしまうため、胃腸の弱い方や冷えやすい方、虚弱体質の方は食べ過ぎに注意しましょう。
【保存料理】たけのこの甘酢漬けのつくり方
春を代表する食材、たけのこ。下ゆでしてパック詰めされたものは一年中手に入りますが、香りや食感、うま味は生のものにはかないません。
下処理に手間はかかりますが、ぜひ生のたけのこで春の味覚を堪能してください。
収穫してから時間がたつとえぐみが増すため、できるだけ早く下処理するようにしましょう。
土佐煮、たけのこご飯、天ぷらなどさまざまな料理がありますが、甘酢漬けにしておくとアレンジしやすく、日持ちもするのでおすすめです。
そのまま食べてもいいですが、同じく旬の生わかめやホタルイカと酢味噌であえたり、ちらし寿司やポテトサラダなどに加えてもおいしいですよ。
材料(つくりやすい分量)
●生たけのこ(正味) | 200g(皮付きは約400g) |
● A | |
・酢 | 大さじ4 |
・みりん | 大さじ2 |
・塩 | 小さじ1 |
・赤とうがらし(小口切り) | 1/3本 |
つくり方
<下処理をする>
1 たけのこは穂先を斜めに切り落とし、縦に1本、切り込みを入れる。
2 大きな鍋にたけのこを皮ごと入れ、全体がつかる量の水と、米ぬかひとつかみ(分量外)、赤とうがらし(分量外)を入れて強火にかける。
3 沸騰したら落としぶたをして、弱火で40分~1時間ほどゆでる。根元に竹串を刺し、すっと通れば火を止める。そのまま冷めるまでつけ、あくを抜く。
<甘酢漬けにする>
4 3のたけのこのぬかを水で洗い流し、皮をむく。全体が黄色くなるまで、繊維のかたい皮をすべてむき、食べやすい大きさに切る。穂先のやわらかい皮が集まった部分、「姫皮」は食べられるので、食べやすい大きさに切る。
5 煮沸消毒した瓶に4とAを入れる。ラップなどで表面を覆い、ふたをする。常温で1時間ほどおいたら食べられるが、2〜3日後が食べごろ。
※冷蔵庫で約1週間保存可能。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『季節のお漬けもの』、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」