• やる気が出ない、疲れやすい。そんな不調を感じている人は、「タンパク質」が不足しているのかも? 料理家の田内しょうこさんが体力向上のために取り組んだ「朝ごはん×タンパク質」改革を紹介します。今回は、朝から良質なタンパク質が摂れる「味噌」のお話です。

    タンパク質たっぷり、“朝に味噌”がいい理由

    どんどん気温が上がり、春らしくなってきましたね。みなさん、今朝はどんな朝ごはんを食べましたか。

    少し前、しばらく胃を悪くし、しっかり食べられない時期がありました。

    お粥やうどんをちょっとだけ食べるような暮らしの後、無事に元気になったのですが、今度は反動で食欲が爆発! みるみる体が重くなってきました。

    画像: タンパク質たっぷり、“朝に味噌”がいい理由

    そこで立ち戻るのが、味噌汁とごはんの組み合わせ。目玉焼きや納豆など、ごく普通のおかずと合わせても、朝からしっかり味噌汁を飲めるとほっとします。

    大豆を発酵させてつくる味噌には、良質の植物性タンパク質がたっぷり。発酵によってタンパク質がアミノ酸に分解され、さらに吸収されやすい状態になっているところも、朝にぴったりな調味料である理由のひとつです。

    しょうゆも実は同じような発酵食品なのですが、味噌の方がなんとなくありがたい感じがしてしまうのは、発酵させた大豆を丸ごと食べられるからでしょうか。

    ただ、味噌汁は飲みたいけれど、朝からお鍋を使ってお湯を沸かして……となるとおっくうに感じる方もいるのでは? でもそのせいで味噌が食べられないのはもったいない! わたしが実践している、朝に手軽に味噌を摂る方法をいくつかご紹介します。

    乳酸菌たっぷり、おわん味噌汁

    画像1: 乳酸菌たっぷり、おわん味噌汁

    おわんに味噌を入れてお湯をさすだけ。とはいっても、そのままだとだしが足りずあまりおいしくありません。そこで、だしの素となるかつおぶしをひとつまみ。ないときには、粉末のだしなどでも大丈夫です。

    あとはお好みの食材を入れていきます。朝にも手軽に使える乾物類(わかめ、切り干し大根、お麩など)や、包丁なしでも切れて火がとおりやすい野菜類などがおすすめです。

    画像2: 乳酸菌たっぷり、おわん味噌汁

    おわん味噌汁の材料(1杯分)

    ● 味噌大さじ1くらい
    ● かつおぶしひとつまみ
    ● 具材となる乾物(切り干し大根、わかめ、麩など)好みの量
    ● 火のとおりが早い野菜
    (ねぎ、みず菜、ブロッコリースプラウト、ミニトマトなど)
    好みの量

    これらの食材をラップに入れて丸めておくと、オフィスでのランチのときにも手軽に手づくり味噌汁が楽しめます。

    画像: おわん味噌汁の材料(1杯分)

    つくるときのコツは、まず少量のお湯を入れて味噌を溶いてから、おわん1杯分のお湯を足すこと。最初からお湯をたくさん入れてしまうと味噌が溶けづらくなってしまいます。

    このつくり方は横着に見えますが、実は味噌は沸騰させると乳酸菌が死んでしまうといわれているので、善玉菌である乳酸菌を摂るうえでは合理的な食べ方ともいえます(とはいえ、死んだ乳酸菌も腸内で善玉菌のエサとなるので無駄ではありませんのでご心配なく!)。

    調味料になる、香味みそ

    以前にも「スタミナ味噌」としてご紹介したことがありますが、調味料として使うことができる香味野菜入りの合わせ味噌です。

    しょうがやねぎ、みょうがなど好みの香味野菜をきざんで混ぜておくと、しょうゆ代わりに納豆の味つけや混ぜごはんにも大活躍!

    わが家では、これからの季節の定番として冷蔵庫に常備しています。

    画像: 調味料になる、香味みそ

    香味みその材料(つくりやすい分量)

    ● 味噌100gくらい
    ● 青じそ(ざく切り)5枚
    ● みょうが(きざむ)2個分
    ● ねぎ(きざむ)5cm分
    ● しょうが(きざむ)1片分
    ● にんにく(好みで)1片

    味噌を使った朝ごはんアイデア

    味噌を使ったタンパク質朝ごはん①
    お麩入り、おわん味噌汁

    画像: 味噌を使ったタンパク質朝ごはん① お麩入り、おわん味噌汁

    おむすびとおわん味噌汁なら、忙しい日にもパパッとつくることができます。

    おわん味噌汁用に、お麩も常備おすすめの食材。すぐに火が通るし、少しですがタンパク質を摂ることもできます。

    味噌を使ったタンパク質朝ごはん②
    ベーコンエッグ入り味噌汁

    画像: 味噌を使ったタンパク質朝ごはん② ベーコンエッグ入り味噌汁

    最近気に入っているおわん味噌汁のアレンジのひとつが、ベーコンエッグを味噌汁に落とすこと! 味噌のうま味が加わりつつベーコンがさっぱり。味噌は油の強いものと相性がよいのです。

    味噌を使ったタンパク質朝ごはん③
    味噌納豆

    画像: 味噌を使ったタンパク質朝ごはん③ 味噌納豆

    「山形では納豆に味噌を入れるんですよ」と山形出身の方に教わりました。

    味噌汁以外のスープのときには、しょうゆの代わりに味噌を入れることもあります。普通の味噌でも、香味みそでも。

    味噌を使ったタンパク質朝ごはん④
    ゆでしゃぶの香味みそあえ

    画像1: 味噌を使ったタンパク質朝ごはん④ ゆでしゃぶの香味みそあえ

    うんと食欲のある朝におすすめ。さっとゆでたしゃぶしゃぶ用の肉を香味みそとねぎで和えてごはんにのせます。

    さらに香味みそを加えて汁かけごはん風にしてもおいしく食べられます。



    画像2: 味噌を使ったタンパク質朝ごはん④ ゆでしゃぶの香味みそあえ

    田内しょうこ(たうち・しょうこ)
    「忙しい人のための時短料理」「時間価値を生むシステム料理」をテーマに、書籍や雑誌、ウェブサイトで発信。セミナーや出張教室のほか、食と暮らし、子育て関連の情報発信を行う。著書に『時短料理のきほん』(草思社)、『働くおうちの親子ごはん』(英治出版)、『汁かけごはん』(駒草出版)など。
    インスタグラム:@tauchi.shoko
    ツイッター:@oyakogohan



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