• 薬膳・発酵料理家の山田奈美さんに、5~6月におすすめの発酵料理と保存食のレシピを教えていただきました。発酵料理は腸内環境を改善し、免疫力向上の効果が期待できる食べ物として注目されています。物価の上昇が続くいま、お手ごろ価格の「旬」の食材をつかった保存食づくりを始める人も。栄養価が高いだけでなく、たくさん買ってもむだなく使いきれ、節約につながるのも魅力です。今回紹介するのは、グリーンピースのひすい煮です。

    グリーンピースの薬膳的効能ついて

    グリーンピースは胃腸の働きをよくし、気をつくり出して元気をつけ、体のなかの余分な水を出す働きがあるとされています。湿度が高く、胃の消化力が低下しやすい梅雨時期にはありがたい存在です。

    余分な水の停滞が原因とされる、むくみや関節痛のほか、食欲不振、嘔吐・下痢などの胃腸症状の改善にも効果が期待できます。さやえんどうやスナップえんどう、豆苗も同じ働きがあります。

    βカロテン、ビタミンC、ビタミンB群、カリウムなども豊富に含んでいます。

    【保存食】グリーンピースのひすい煮のつくり方

    画像: 【保存食】グリーンピースのひすい煮のつくり方

    グリーンピースは、えんどう豆が完熟する前のやわらかい状態で収穫したもので、「青実用えんどう」「青えんどう」「実えんどう」とも呼ばれます。

    缶詰や冷凍のものが一年中手に入りますが、生のグリーンピースの味わいや香りは別格です。出回るのは5~6月中の短い期間だけですが、ぜひこの時期はみずみずしく甘い生のえんどう豆を味わってみてください。

    さやから出すと乾燥してすぐに鮮度が落ちてしまうので、ゆでる直前にさやから出しましょう。ゆでた豆は、鮮やかな緑色を生かしたひすい煮にすれば、3〜4日日持ちします。

    ごはんに混ぜれば、あっという間にグリーンピースごはんに。ポテトサラダやお弁当などの彩りにも重宝しますよ。

    材料(つくりやすい量)

    ● グリーンピース正味200g
    ● A
    ・だし汁1カップ
    ・塩小さじ1/3
    ・みりん小さじ1

    つくり方

     グリーンピースはさやから出す。熱湯1L(分量外)に塩小さじ1/2(分量外)を入れ、グリーンピースを3~4分ゆでる。

    画像: さやの筋の上を指で押して左右に開き、豆を取り出す

    さやの筋の上を指で押して左右に開き、豆を取り出す

     グリンピースをゆでている間に、別の鍋にAを合わせて中火にかけ、ひと煮立ちしたら火を止める。

     ゆでたてのをざるにあげ、水けをしっかりきる。に加え、そのまま冷ます。

    画像: グリーンピースはお湯から出すとシワが寄るので、水けをきったらすぐ2に加える

    グリーンピースはお湯から出すとシワが寄るので、水けをきったらすぐに加える

     清潔な密閉袋にを入れて空気をしっかり抜く。

    画像: 使うときは凍ったまま加える

    使うときは凍ったまま加える

    ※冷蔵庫で3~4日保存可能。しっかり味を含ませたあと、汁けをきって密閉袋などに入れて冷凍すれば1カ月保存可能。



    〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉

    山田奈美(やまだ・なみ)

    「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『いつもの食材と調味料で 体が整うごはん』(ナツメ社)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)などがある。



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