(『一汁一菜からはじめる 野菜でととのうヴィーガンレシピ』より)
無理なく手軽に、一汁一菜からはじめましょう
食で体をととのえたいとき、あれもこれもと完璧を求めずみそ汁とおかず一品だけでもいい。まずは自分でつくった一汁一菜からはじめてみてください。
外食が続いたとき、食べすぎたとき、食生活の乱れが気になったときも、季節の野菜でつくる一汁一菜で体はととのいます。
体のエネルギー源であるご飯と、旬の食材を使った汁物、それに小さなおかずがあれば十分。温かい汁物は、食事時の水分・栄養補給はもちろん、体を温めて代謝を高めてくれ、旬の野菜はその季節に必要なエネルギーを与えてくれます。
少し続けると体が軽くなる、便通がよくなる、よく眠れるなど、‟ととのう”感覚が実感できるはずです。
一汁一菜の組み合わせは難しく考える必要はありません。気分や体調に合わせて食べたいものを選ぶとストレスなく続けられますが、以下の2つを取り入れると、より心と体がととのう「食」を実感できます。
1つめは、味や調味料を変えて組み合わせること。たとえば酸味のあるおかずの「菜」と塩味の「汁」であるみそ汁。みそで味つけをした「菜」と甘いポタージュの「汁」など、味に変化をつけるとバランスがよくなります。
2つめは、野菜を種類別に組み合わせること。たとえば「菜」が青菜の場合は、「汁」に根菜や豆類を使います。
一食であれこれとろうとするより、1日の食事でバランスをとる気軽さでつくってみてください。
慣れてきたらほんの少し栄養を意識して、①旬のアブラナ科の野菜、②ごまやくるみなどの種実類、③ひじきやわかめ、海苔などの海藻類を、1日のどこかでとれるように組み合わせます。
夏の「菜」
みそラタトゥイユのつくり方
夏野菜をたっぷり使いながらも体を冷やしすぎないように、みそで味つけしてほどよくクールダウン。
素材とみその風味を生かすため、みそは混ぜ込まず、野菜の上にちょんちょんとのせて蒸し煮にするのがポイントです。
材料 (2 人分)
● ミニトマト | 15個 |
● ピーマン | 1個 |
● なす | 1本 |
● ズッキーニ | 1/2本 |
● 長ねぎ | 1本 |
● 大葉 | 6枚 |
● にんにく(みじん切り) | 1かけ分 |
● みそ | 小さじ2 |
● 海塩 | 小さじ1/2 |
● オリーブ油 | 小さじ1 |
つくり方
1 ミニトマトは縦半分、ピーマン、なす、ズッキーニは2cm角に切る。長ねぎは2cm長さのぶつ切り、大葉は手で細かくちぎる。
2 鍋にオリーブ油を入れて中火で熱し、にんにくを入れて炒める。香りが立ったら1を一度に加え、さっと炒める。
3 全体に油が回ったら、みそを野菜の上に少量ずつ散らしてのせる。
4 ふたをして弱火にし、10分ほど蒸し煮にする。
5 ふたを取り、水分を飛ばしながら、みそがなじむまで混ぜながら炒める。最後に海塩を加えて混ぜ、味をととのえる。
夏の「汁」
夏のネバネバみそ汁のつくり方
胃腸が弱りがちな夏にネバネバ食材が胃の粘膜をいたわります。納豆でたんぱく質の補給も。
材料 (2人分)
● オクラ | 2本 |
● モロヘイヤ | 50g |
● 納豆 | 1/2パック |
● 布海苔(ふのり)(乾燥) | 1g |
● 昆布だし | 1と1/2カップ |
● みそ | 大さじ1 |
つくり方
1 オクラは海塩少々(分量外)をまぶして板ずりし、がくを落として小口切り、モロヘイヤはかたい根元の部分を除いてざく切りにする。納豆は粘りが出るまで混ぜる。
2 鍋に昆布だしを入れて中火にかけ、沸騰したら1のオクラ、モロヘイヤを入れ、ひと煮立ちさせて納豆、布海苔を加えて火を止める。
3 みそをすり鉢に入れてなめらかになるまですり、2のだしをお玉1杯分加えて溶く。2の鍋に戻し入れ、みそを完全に溶かす。
本記事は『一汁一菜からはじめる 野菜でととのうヴィーガンレシピ』(山と渓谷社)からの抜粋です
〈撮影/yoshimi スタイリング/岩越千帆〉
中島芙美枝(なかじま・ふみえ)
料理家。北海道生まれ。NYの大学を卒業後、テレビ・広告業界で働く。婦人科系のさまざまな不調に悩む中で、「やまと薬膳」オオニシ恭子氏に食養を学び、食の道へ。お弁当やケータリング、料理教室、クリニックや雑誌等へのレシピ提供、コラム執筆など活動の場を広げている。毎月第1金曜日に東京・表参道にてランチの提供を行う。
webサイト:https://www.fumienakajima.com
インスタグラム:@fumie_nakajima
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食を変えると心と体が変わり、毎日も変わる……。著者の中島芙美枝さん自らの体験から生まれた、内側からととのう野菜のおかずと副菜、スープとみそ汁、そして元気とおいしさを下支えしてくれる手づくりの発酵調味料など、全部で83品のヴィーガンレシピを紹介しています。
好みに組み合わせて献立仕立てで味わうもよし、忙しかったり食材がそろわないときは1品だけつくってみるもよし、心と体が欲するまま、気負わず気軽に食卓に取り入れてみてください。