(『とびきりおいしい おうちごはん』より)
命を、いただきます
わたしたちが口にする食材も、人間と同じように何かを食べて生きていて、その命を、わたしたちはいただいています。卵は、この「命をいただく」感覚が、とくに強い食材。
スーパーマーケットの卵売り場に行くと、値段が高いものからお手頃なものまで、いろんな卵が並んでいます。このちがいは何から生まれるのでしょう。
卵を産む鶏(にわとり)を育てる環境が、その理由のひとつです。
お手頃な価格の卵は、ズラリと並ぶケージに入った、たくさんの鶏が大量に産む卵。
一方、パッケージに「平飼い」と書かれた卵は、放し飼いの鶏が、のびのびと大地を動きまわり、こだわったエサを食べ、ストレスのない環境で産んだもの。
生産量が少なく、土地や飼料などにもお金がかかるため、それが卵の値段の高さにつながっています。
何気げなく食べている食材の背景を想像してみると、「ありがとう」の気持ちがわいてきます。
チーズオムライスのつくり方
ふわふわ卵に混ぜたとろけるチーズがまろやかなおいしさの決め手。
ケチャップ味のごはんと一緒にほおばれば最高のできばえに大満足。
材料(2人分)
● 鶏もも肉 | 170g |
● 塩、こしょう | 少々 |
● サラダ油 | 少々 |
● 玉ねぎ | 1/4コ |
● ピーマン | 1コ |
● あたたかいごはん | お茶わん2杯 |
● トマトケチャップ | 大さじ3 |
● 卵 | 4コ |
● とろけるチーズ | 60g |
● 牛乳 | 大さじ2 |
● バター | 10g |
● 仕上げのトマトケチャップ | 適量 |
つくり方
1 鶏もも肉はひと口大に切り、玉ねぎとピーマンはみじん切りにします。
2 フライパンを熱して油をひき、鶏とりもも肉をいためて、塩、こしょうをふります。
3 玉ねぎとピーマンを加えて、さらにいためます。
4 鶏肉の色がすべて変わったら、あたたかいごはんを加え、トマトケチャップも入れて混ぜながらいためます。
5 4をお茶わんに盛り、お皿の上でひっくり返します。
6 卵液をひとり分つくります。ボウルに卵2個、チーズ30g、牛乳大さじ1を入れて、よく混ぜ合わせます。
7 フライパンにバターの半量(5g)を入れて熱し、6を一気に流し入れて全体に広げます。
8 卵のまわりがフツフツとしてきたら、表面をへらで軽く混ぜます。
9 卵がトロトロのうちに5にのせて、トマトケチャップをかけます。5~9をくり返して、もうひとり分をつくります。
ひとくちメモ
卵でつつみたい場合は、5でケチャップライスをお皿にうつしておき、8の後にそれをフライパンにもどし入れ、卵の両はしでくるむようにしながら、フライパンをひっくり返してお皿にのせます。慣れてきたら挑戦してみましょう。
本記事は『とびきりおいしい おうちごはん』(小学館)からの抜粋です
〈撮影/安彦幸枝 文/小川奈緒 イラスト/三宅瑠人〉
野村友里(のむら・ゆり)
料理人。2012 年に東京・原宿にrestaurant eatrip 、2019年に東京・表参道にeatrip soilをオープン。ケータリングフードの演出や料理教室、食のドキュメンタリー映画『eatrip』で監督を務めるなど、幅広い活動をしている。「食の革命家」アリス・ウォータース率いるシェ・パニースで修業した経験を持つ。現在は朝日新聞デジタルにて、UAと「暮らしの音」を連載中。またJ-WAVE「SARAYA ENJOY! NATURAL STYLE」にて、長年ナビゲーターを務めている。著書に『eatlip gift 』『春夏秋冬 おいしい手帖』(ともにマガジンハウス)、『Tokyo eatri p』( 講談社)がある。2013年7月に『とびきり おいしいおうちごはん』(小学館)を発売。
◇ ◇ ◇
原宿にrestaurant eatripを開き、全米一予約の取れないレストラン「シェ・パニース」で修業した経験もある野村友里さんが、大人も驚くおいしさのレシピを、子どもがつくれるようにアレンジ。
唐揚げやチーズオムライス、ハンバーグや生姜焼きなどの基本の料理から、シェファーズパイ、お花しゅうまい、皮からつくるもちもち水餃子やラーメン、だしの取り方や手づくりウスターソースまで、 卵、肉、野菜、魚の料理を、約40レシピを紹介します。
レシピのほか、食の大切さや命をいただく大切さについても絵本仕立てで紹介し、「いつも何気なく口にしている食材はどこから来ているのか」といった食の本質について、わかりやすくたのしく伝える1冊です。