たがかハンガー、されどハンガー
コーディネートサービスには、お手持ちのアイテムを拝見し、仕分けをしたり、コーディネートをおつくりしたりする、「ワードローブチェック」というメニューがあります。
お客さまのご自宅にお伺いし行うのですが、クーロゼットを拝見し、気になることが多いのがハンガー。
せっかく素敵な洋服がそろっているのに、ハンガーによって台無しになってしまっていることがよくあるのです。
◆まずはサイズを合わせる
ハンガーには、メンズサイズ、レディースサイズがあり、それぞれ、基本的な体格に合わせてつくられています。
メンズサイズは、幅が42cmくらい、レディースサイズは、幅が38cmくらいのものが多いでしょうか。
もちろん、私たちの洋服をかけたいのはレディースサイズのハンガー。
幅の広いメンズサイズのハンガーにかけると、本来であれば袖となる部分までハンガーに乗っかってしまい、型崩れをしてしまいます。
そして、そのまま着てしまうと、本来のデザインとは違う、おかしなシルエットに。
かけ比べてみるとこんな感じです。
メンズサイズのハンガーに掛けたポロシャツ
レディースサイズのハンガーに掛けたポロシャツ
どちらが正解かは、一目瞭然です。
◆なで肩タイプ
では、レディースサイズを選び、ハンガーの幅に気をつければ大丈夫かというと、残念ながらそうでもないんです。
長くかけ続けると、ハンガーの先の当たりが出てきてしまい、やはりシルエットは崩れてしまいます。
カットソーやニットなど、伸縮性のある生地のアイテムは、とくに注意が必要です。
伸縮性のある生地のアイテムは、できれば畳んでしまっておけるといいのですが、収納事情によっては、そうはいかないこともありますよね。
ハンガーにかけておきたい方におすすめしたいのは、肩のラインがなだらかな、なで肩タイプのハンガー。
TAYAのハンガーには、そのままズバリ、「なで肩タイプ」というのがあります。
普通タイプと比べるとこんな感じになで肩です。
かけ比べてみます。
スタンダードなタイプにかけたポロシャツ
なで肩タイプにかけたポロシャツ
着たときの状態に近いのは、スタンダードなタイプに掛けたときですが、どうしてもハンガーの先で当たりが出てしまいます。
なで肩タイプであれば、なだらかに落ちていくので、角がなくなり、ハンガーの先のあたりが出にくくなるのです。
Tシャツなど、衿まわりが伸びてしまいそうなものには、滑り止め付きのハンガーを。
そして、滑り止め付きといえば、MAWAハンガーも私は愛用しています。
あまり堂々と言ってはいけないのかもしれませんが、自分で角度を変えられるので、少し斜めに下げ、なで肩にして使っています。
通常の角度のハンガーを、両手でぐっと斜めに下げ、なで肩のハンガーをつくります。
比べてみるとこんな感じです。
ハンガーを、洋服に合ったもの、洋服を素敵に保ってくれるものにすると、おしゃれを楽しみやすくなります。
パンツハンガーも同じ種類でそろえれば、よりすっきりきれいなクローゼットになり、洋服を選ぶときもいい気分でいられます。
来月もお楽しみに!
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「おしゃれのABC」とは……
ちょっとしたコツで、ぐっとおしゃれに。
スタイリスト・植村美智子が、約25年の仕事を通して培ったコーディネートの経験とファッションの知識を生かし、季節ごとに陥りがちな、おしゃれの悩みを解決します。
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<スタイリング/植村美智子 撮影/山川修一>
植村 美智子(うえむら・みちこ)
大阪府吹田市出身。文化服装学院アパレルデザイン学科卒業。アシスタント経験後、1996年にスタイリストとして独立。雑誌、広告、タレントのスタイリングなどで幅広く活躍。2010年、ファッションコーディネートサービス「Liltin'(リルティン)」を立ち上げ、個人向けのコーディネートを開始する。ひとりひとりとじっくり向き合うことを大切にし、ファッションを楽しんでもらえることを目指したパーソナルスタイリングが人気を呼ぶ。著書に『洋服の選び方』(マイナビ出版)、電子書籍『「今の自分」に似合う服』(扶桑社)などがある。
Liltin' ファッションコーディネートサービス
https://liltin.com/
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