しょうがの薬膳的効能ついて
生のしょうがに含まれるジンゲロールという辛味成分は、肉や魚の臭みを取ったり、殺菌解毒、血流を促進したりする作用があるとされます。
体の表面や手足の先端を温めて発汗を促し、風邪のひきはじめや咳に有効です。
さわやかな香りは、胃の働きを整えて消化を高め、食欲不振や吐き気、むかつきを改善する作用もあります。
しょうがを加熱すると、ジンゲロールがショウガオールに変わり、体の芯から温めて持続する働きがあり、冷え性改善に最適です。
【保存食】はちみつジンジャーシロップのつくり方
辛味が穏やかで、さわやかな香りの新しょうがでつくるジンジャーシロップ。
私はスパイスを加えてピリッと刺激的な大人な味わいが好みです。一般的には砂糖をたっぷり使うのですが、私は煮詰めたあとで、保存性を高めるために少しだけはちみつを加えています。
そして、炭酸で割ってジンジャーエールにするときやお湯で割ってジンジャーティーにするときにはちみつを加えて、好みの甘さに調節しています。
最初から甘味をつけるよりも、飲むたびに入れる方が少ない甘味ですみますし、辛さと甘味のメリハリもつきます。
残った新しょうがは、たいして甘くないのでしょうゆとみりんなどで佃煮にしたり、スパイシーな風味を生かしてカレーなどに再利用できますよ。
材料(つくりやすい分量)
● 新しょうが | 100g |
● はちみつ | 大さじ2 |
● 塩 | 少々 |
〈好みのスパイス〉 | |
・ クローブ(ホール) | 1〜2粒 |
・ シナモンスティック | 1本 |
・ カルダモン(ホール) | 1個 |
● 水 | 1カップ |
● レモン汁 | 大さじ2 |
つくり方
1 しょうがは皮ごとよく洗い、薄切りにする。
2 鍋に1と塩、はちみつを入れて混ぜ、10分ほどおく。
3 水分が出てきたら、水とスパイスを加えて中火にかけ、沸いたら弱火にしてアクを取りながら10分ほどコトコト煮詰める。
4 粗熱が取れたら液体をしっかり絞ってこし、はちみつ(大さじ1くらい)とレモン汁を加える。酸味を加えると、美しいピンク色になる。
5 清潔な瓶に移し、冷蔵庫で保存する。
※冷蔵庫で約2週間保存可能。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『いつもの食材と調味料で 体が整うごはん』(ナツメ社)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」