• 旅の目的は、日常からのエスケープ半分、思い出づくり半分。仕事に家事に子育て……平日も休日も忙しく働く整理収納コンサルタント・本多さおりさんが提案するのは、親子ともどもリフレッシュできる無理をしない「子連れ旅」。今回は、無理をしない家族キャンプについてのお話です。
    (『旅は暮らしの深呼吸』より)

    子連れアウトドアでは、テントを張らないキャンプ一択!

    夫婦時代にはご多分に漏れず「キャンプ道具選びの沼」にハマりました。

    テント、寝袋、タープ、大きいクーラーボックス、立派な焚き火台ーー。次々に、ツールを揃えていったものです。

    ところが、初回にテントを張ってみてその大変さにびっくり。どうやら、この作業は私たち夫婦にとって苦手分野だったよう。がんばってもどうにもうまくいかず、雰囲気まで険悪に。そんなわけで、2回目以降はテントをやめて車中泊することにしました。

    以降も、夫婦でのキャンプで自分たちでテントを張ることは一度もありませんでした。

    そしていよいよ、子連れキャンプデビュー! 長男2歳、次男10か月のころでした。

    0歳児がいるので無理をせず、トレーラーハウスに宿泊。室内には電気が通っていてエアコンも冷蔵庫もあり、水もお湯も出てシンクもトイレもシャワーもついています。

    画像: 長男2歳、次男10か月、初キャンプでトレーラーハウス泊。併設されたデッキで外ご飯を楽しみつつ、トレーラー内は家と同等の快適さ

    長男2歳、次男10か月、初キャンプでトレーラーハウス泊。併設されたデッキで外ご飯を楽しみつつ、トレーラー内は家と同等の快適さ

    こうした「高規格」なキャンプ場は、幼児連れの強い味方だと感じます。

    グランピングまではいかないけれど、道具はすべて借りられるし、手軽にシャワーで清潔を保てて、エアコンで安眠が約束される。急に雨が降ってきても大丈夫な安心感もありがたい。

    その後、長男3歳、次男1歳で行った2回目のキャンプでは、ちょっとした冒険心も手伝って、ウッドデッキ付きのテントサイトをとってみました。

    テントは親戚に借りてきてなんとか張れたものの、幼児2人を気にかけながらの設営はやっぱり大変。夫婦で「もうこりごりだね……」となったのでした。

    幼児を連れていくだけで大変なのです。ほかのことはがんばりすぎず、なるべくラクして非日常を楽しみたい。2回目のキャンプで目的を再確認し、わが家の「テントを張らない」キャンプスタイルが確立しました。

    そして、本多家だけで行った子連れキャンプはこの2回だけ。

    それ以降はすべて、キャンプ慣れしている友人一家と一緒です。コテージを並びでとったり、大きな1棟を2家族でシェアしたり。

    子どもたちは楽しそうだし、親も友人とのひとときを満喫できる。子守係を交代ですれば、いつもより長くゆっくりできます。

    気兼ねなく一緒にいられるのは、「今は無理せず、力抜いてやろうよ」という感覚が一致したから。友人一家はわりと本格的なキャンパーでしたが、第三子が誕生してからは、家族だけのキャンプでも主にコテージで楽しむようになったようです。

    画像: 「PICA Fujiyama」では屋根と電源のあるウッドデッキ付きのテントサイトに1泊。テント設営ではやっぱりへとへとに

    「PICA Fujiyama」では屋根と電源のあるウッドデッキ付きのテントサイトに1泊。テント設営ではやっぱりへとへとに

    画像: 道志村の「センタービレッジキャンプ場」のコテージ「見晴し」で2家族キャンプをリピートしています

    道志村の「センタービレッジキャンプ場」のコテージ「見晴し」で2家族キャンプをリピートしています

    本記事は『旅は暮らしの深呼吸』(集英社クリエイティブ)からの抜粋です


    本多さおり(ほんだ・さおり)

    整理収納コンサルタント。夫と長男(7歳)、次男(5歳)との4人暮らし。片付けや収納を中心に、家づくり、子育て、物選び、無印良品などのテーマで執筆や発信活動を行う。整理収納のモットーは「生活重視ラク優先」。収納を変えることで、そこで営まれる生活がラクにまわり、住む人が快適に暮らせるようになることを目指す。主な著書に『家事がとことんラクになる 暮らしやすい家づくり』(PHP研究所)、『暮らしをそのままの自分に寄せて』(主婦の友社)がある。等身大の子連れ旅本『旅は暮らしの深呼吸』(集英社クリエイティブ)を発売。

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    『旅は暮らしの深呼吸』(集英社クリエイティブ)|amazon.co.jp

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