(『旅は暮らしの深呼吸』より)
自分の時間はつくらないとやってこない
忙しい日々のなか、一番のプライオリティは「待って」の効かない子どもへの対応です。
並行して仕事もあるし、家事もある。そんな風に日々を回していると、自分のことはどんどん後回しに。世にはびこり、自分の先入観にもなっているであろう「親が休むなんて」「育児中は多忙で当然」という考えも手伝って、追い詰められてしまいます。
これが続くと、くつろいでいるパートナーを見るだけでイラッ。自分ばかりが働いている、休めていないと、怒りが湧いてしまうことも。そうなれば家族の平和に関わる事態です。
自分のためにも、家族のためにも「休む」「遊ぶ」「自分の時間を過ごす」をしっかりやっていきたい。今こそ、パートナーと情報・労働をシェアし直しながら、プライオリティの順番を見直すときがきたのです。
ここに堂々と、「かあさん(とうさん)休みます!」を宣言したい!
自分レスキューカードの見つけ方
疲れた自分を助けるカードはなんだろうと考えてみたときに、どんなことを思い浮かべるでしょうか。
自分がご機嫌な瞬間って、どんな時間? 自由になれるのは、何をしているとき? 日ごろからそんなことに思いを巡らせて、自分のプレジャーリストをつくっておくといいかもしれません。
私は友人や仕事で知り合った方々に、よく「レスキューカードはなんですか?」と問いかけます。
ドラマを観る、ネイルを塗る、走るなど、その答えは人それぞれですが、どんな答えにもその人らしさが表れているような気がします。
私の場合は、家の中のちょっと気になる場所を改善する時間がリフレッシュタイム。
大好きな無印良品をくまなくチェックしている時間や、100円ショップの新商品を開拓するのも至福です。家ですぐにできることなら、やっぱり晩酌タイムでしょうか。
自然と心が軽くなること、夢中になれて、自分らしくいられる時間。これがレスキューカードを見つけるヒントになるかもしれません。
子どもと家にいながらにして使えるカードもあれば、パートナーなどほかの大人に子どもを任せられるときしか使えないカードもあります。入浴剤やお菓子などの消耗品が必須アイテムなら、いつもストックしておきたいところ。
いずれも、「今私は、カードを使っていますから!」と、前向きな気持ちで心をほぐしてほしいと思います。
本記事は『旅は暮らしの深呼吸』(集英社クリエイティブ)からの抜粋です
〈写真/林ひろし〉
本多さおり(ほんだ・さおり)
整理収納コンサルタント。夫と長男(7歳)、次男(5歳)との4人暮らし。片付けや収納を中心に、家づくり、子育て、物選び、無印良品などのテーマで執筆や発信活動を行う。整理収納のモットーは「生活重視ラク優先」。収納を変えることで、そこで営まれる生活がラクにまわり、住む人が快適に暮らせるようになることを目指す。主な著書に『家事がとことんラクになる 暮らしやすい家づくり』(PHP研究所)、『暮らしをそのままの自分に寄せて』(主婦の友社)がある。等身大の子連れ旅本『旅は暮らしの深呼吸』(集英社クリエイティブ)を発売。
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整理収納コンサルタント・本多さおりさんの子連れ旅本。親子ともどもちゃんとリフレッシュできる旅のかたちとは? 週末家事スキップ旅、無理しないキャンプの工夫、母だけ旅……など、忙しい子育て世代が休日を楽しむためのアイデアに満ちた一冊。日常に句読点を打つように、旅に出ましょう。