甘えん坊楓ちゃんと、ツンデレみいちゃん
わが家の猫は男の子。
楓(ふう)ちゃんは本名は楓一(ふういち)。いまは3歳とちょっと。みいちゃんの本名は水木(みずき)。2歳半くらい。
名前は響きを決めてから、好きな樹木の名前の漢字をあてた。
樹木のようにすくすく育って欲しいと願いを込めた。彼らに気に入ってもらえているといいなあ。
毎日の暮らしは、いつも猫たちが寄り添ってくれている。常に応援してくれている。時々暑いけど、温かく気持ちがいい。
朝起きて2時間ほど一緒に過ごしたら、私はアトリエに出勤。みいちゃんはこの時はすでに食器棚の上でぐっすり眠っている。甘え足りない時の楓ちゃんはずっとついてくる。ダダダって先回りして、階段を降りる時は妙に俊敏で男らしい。「お仕事行ってくるよ」って話しかけると、追いかけるのをピタッとやめる日があって、本当は分かってるんだなあと感心してしまう。
仕事を終えて戻ってくると、楓ちゃんはぐいっと前に出て全身で迎えてくれるから思わず顔がほころんでしまう。みいちゃんは机の脚の陰で小さく鳴いて歓迎してくれる。
どちらも可愛くて仕方のない瞬間です。
もはや自分はボス猫なのでは……
その後はどちらも私の椅子の下にいたり、パソコンの上を歩いたり、目の前でゴロンとしたり、トイレにもお風呂にもついて来る。家の中を3人(もはや3匹)でぞろぞろと集団行動をすることになっていて、ソファーに横になって休むとみんなもそれぞれ横になって休むので、自分はもしやボス猫(母猫?)なのではと錯覚してしまう。
腕の中や脚の上に突然ゴロンと入ってくるので、こうなったらもう何の仕事もできません!
何も進まない事に慣れるまでに少しの時間がかかったけど、この時間を満喫した方がいいと神様が言っていると思うようになりました。
猫がいるから生まれる笑いの時間で、心と身体を休める時間。離れている半日と一緒にいる半日。猫たちにとってこのバランスは幸せなのか不安に思うけど、大丈夫と思うしかない。
飼い始める前、猫はマイペース。お留守番ができる。1〜2泊なら旅行もできる。2匹で飼えば猫同士で遊ぶから手間もそうかからない。そんな風に思っていたし、確かにその通りだったのだけど……。
少し違うのは、やっぱり人間が大好きで一緒にいることが好き(どうやらかまって欲しいみたい)。留守番もできるに違いないけど、それも限度がありそうで心や体がダメージを受けることが多々あるよう(トイレを別の場所でしたり、嘔吐。聞こえないふりなど)。
2匹でいても、1匹でいた時と変わらず、留守中の心配はつきまとう。地震があったらどうしようと出かけるたびにソワソワする。
もしかしたらこれは私の大きな思い違いで、本来はずっとクールな生き物なのかもしれないけど。
猫って人間が大好きで甘えん坊なんだ。
今日も私は思い込み、親バカを炸裂しています。
本間節子(ほんま・せつこ)
お菓子研究家。
自宅で少人数制のお菓子教室「atelier h」を主宰。ほか、雑誌や書籍でのレシピ提供やイベントなどで活躍中。著書に『やわらかとろける いとしのゼリー』(主婦の友社)など。
Instagram:@hommatelierh