福神漬けの薬膳的効能ついて
たくさんの食材を使う福神漬けは、複数の薬効を一度に摂れるのがメリットです。
れんこんは胃腸を整えたり、瘀血を取ったりするはたらきが。にんじんは体を潤し、血を補うはたらきがあります。
ごぼうやしいたけ、昆布は冬にはたらきが低下しやすい腎を補うのに最適です。
大根は消化を促進し、痰の多い咳にも有効です。
根菜類は体を温めるものばかりではありません。大根やごぼうは体を冷やす性質ですから、天日に干したり、じっくり加熱したりして食べるのがおすすめです。
【保存食】干し野菜の福神漬けのつくり方
カレーだけでなく、ごはんのお供としてもぴったりな福神漬け。実はとっても簡単につくれます。
福神漬けという名前の由来は諸説ありますが、複数の野菜を使うことから、七福神の神さまに見立てて命名したといわれます。
大根、なす、うり、きゅうり、しょうが、なた豆、れいんこん、しそ、たけのこ、しいたけなど5種類以上を合わせてつくるのが定番ですが、できるだけ旬の食材を使いたいので、今回はこの時季の根菜類だけで漬けてみました。
また、一般的には塩で下漬けしてつくるレシピも多いのですが、私は天日に干して水分を抜いてから漬けるようにしています。
そのほうが水分が飛んで日持ちしやすく、また味もしっかり染みやすくなります。コリコリとした食感も最高ですよ。手に入る根菜でオリジナルの福神漬けをつくってみてください。
材料(つくりやすい分量)
● 大根 | 5cm程度 |
● にんじん | 5cm程度 |
● れんこん | 5cm程度 |
● ごぼう | 5cm程度 |
● しいたけ | 1枚 |
● しょうが | 1片 |
● 昆布 | 4cm角1枚 |
● A | |
・みりん | 大さじ4 |
・酢 | 大さじ3 |
・しょうゆ | 大さじ3 |
・塩 | ひとつまみ |
つくり方
1 大根、にんじん、れんこんは2mm厚さ程度のいちょう切りにする。ごぼう、しいたけは1cm角程度の薄切りにする。しょうがはせん切りにする。昆布は水にくぐらせ、キッチンばさみで細切りにする。
2 大根とにんじんはざるに並べて半日ほど干す。
3 れんこんとごぼう、しいたけはかためにゆでて水けをきり、大根とにんじんとともにざるに並べて30分程度干す。
4 Aを鍋に入れてひと煮立ちさせ、冷ましておく。
5 ボウルに野菜と昆布、4を入れてよく混ぜ合わせ、保存容器に入れる。ひと晩置いたら食べられる。
※冷蔵庫で約2週間保存可能。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『いつもの食材と調味料で 体が整うごはん』(ナツメ社)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」