鶏もも肉と、下処理のこと
鶏もも肉は、鶏のももから足にかけた部分。筋肉が多く、かみごたえがあり、鶏肉特有のおいしさがあります。また、鶏もものおいしさのひとつが皮。ただし、身と皮の間に脂があるのできれいに取り除きましょう。
筋肉の多い部位なので筋も多いことも特徴。どこに筋があって、脂の箇所も知れば、簡単に取り除けます。
鶏もも肉の下処理はするとしないとでは大違い。いくらいい鶏肉を使っても脂はしっかりついています。
脂や筋のある位置を知っておけば処理は簡単。下処理をきちんとするとおいしさはもちろん、ヘルシーにいただけます。コレステロールなど、脂質を気にされる方はぜひお試しください。
鶏もも肉の下処理の方法
1 まな板の上に皮目を表にして、もも上を上にして広げる。皮を触ると動く部分と身にしっかりついている部分があるのがわかる。皮が動く部分の下にある脂を包丁でこそぐようにして取り除く。ただし、真ん中の油脂の部分は、ももを1枚につなげている筋なので取り除かないようにする。
2 反対側にして、もも下からもも中まで爪先を使って皮を外す。もも上の部分も同様にして外す。もも中からもも上までは脂で皮と身がくっついているので、皮を引っ張りながら、身と脂の間を包丁でひっかくようにして、皮に脂をつけて外す。
3 皮が動かない部分の身と皮の間に包丁を入れて脂を取り除く。もも上の脂はかたいので、肉に包丁を入れて掻き出す。
4 肉こぶの下には三角形の脂の塊があるので、先の方を指でつまみ上げ、肉と皮の間に包丁を入れ、ひっかくようにして取る。その対角線上に脂の筋が上から下に流れているので、肉の下から先端をつまみだし、包丁で脂を引っ掻くようにして取り除く。
5 皮目を表にし、皮をしっかり伸ばし広げながら金串で穴を開ける。こうすることで縮まなくなる。
6 下包丁を入れる。肉こぶは包丁を入れ観音開きようにする。全体も手のひらで触りながら厚いところは包丁を入れて開く。このとき、脂があればこそぎ取る。
〈料理/松田美智子 撮影/山田 耕司 取材・文/村上有希〉
松田美智子(まつだ・みちこ)
日本料理をベースにした家庭料理の教室を1993年より主宰。鎌倉で育った子ども時代から身近だった保存食づくりを基本に、いまの時代に無理なく楽しめる季節の仕事を提案。著書に『丁寧なのに簡単な季節のごはん』(小学館) amazonで見る など。
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