だしになるタンパク質のもの×野菜で、スープが主役のあったか朝ごはん
暖かい日が続いていたこの冬ですが、年が明けたらいきなり、冬らしい日が増えてきました。そろそろ、朝ごはんにも温かいものが食べたくなりますよね。
寒い日にはスープが主役の朝ごはんがやっぱりおいしい。もしも前の日からのシチューがあれば最高です!
スープを温めてパンを添えるだけでも、朝からほかほかのごちそうに。そんなスープが待っている日には、朝起きるのも楽しみになります。なのでこの時期には、翌日の朝ごはんを意識してなるべく多めに晩のスープをつくるようにしています。
問題は、前の日からのスープがない寒い朝。慌ただしい朝にはあまり料理はしたくないな、と思うことも正直多いのですが、かといって寒い日には、ぱっと食べられるサンドイッチやおむすびのようなものばかりだと、どことなく冷え冷えとした気持ちに……。
なるべく手間はかけずに、でも温かいスープを食べたいなと思います。
朝起きたときには冷えている台所も、コンロで煮炊きするうちに少しずつ部屋があったまるような感じがするのも嬉しい。冬には、暖炉にあたるような気持ちで、朝の料理も楽しめる気がします。
それも鍋で煮るのが圧倒的に楽しい! 同じように火を使うのでも、フライパンで焼くのと、鍋で煮炊きするのでは、温まり気分がまるで違うように感じるのは、やはり水分のある鍋からは湯気が立つからでしょうか。
くつくつと湯気が上がる、そんな料理の時間も含めて、冬の朝にはスープをよりおいしく感じるのかもしれません。
ただ、朝ごはんのタンパク質強化を狙うわたしとしては、スープを主役にすると、ともするとタンパク質が不足しがちになるのは課題のひとつ。
そこで、
だしになるタンパク質のもの×野菜
でスープにするように工夫しています。
あとは、チーズトーストや豆乳ドリンクを加えることも。
また、秋まではおかずにしていたタンパク質の調理法を変えてスープにすることで、ムリなく温かい朝ごはんに変えています。
たとえば、目玉焼き、焼きウインナーとサラダをパンに添えていたところを、卵とウインナー、レタスを鍋でさっと煮てスープに。同じ食材で体もより温まるし、部屋も暖まる。冬には一石二鳥です。
栄養たっぷり、「食べる」タンパク質スープの朝ごはん
ぽかぽかタンパク質スープの朝ごはん①
チキンとじゃがいものスープ
わが家のクリスマス後の定番朝ごはん。ローストチキンの骨をじっくりと煮出します。骨の周りに残っていた肉をこそげ、じゃがいもを加えて。
「鶏!」という味の濃いだしになるので、パクチーや黒胡椒を添えてさっぱりといただきます。鶏のだしがしみたじゃがいもがおいしい。
ぽかぽかタンパク質スープの朝ごはん②
押麦の食べるスープ
押麦たっぷりの食べるスープ。玉ねぎ、じゃがいも、にんじんのほか、キャベツやぶなしめじ、味出しに少量のウインナーなどを加えてことこと煮る食べるスープ。タンパク質はやや少なめなので、チーズトーストを添えます。
ぽかぽかタンパク質スープの朝ごはん③
白菜と豚肉、春雨のスープ
前夜の残りものがある日は嬉しい! この日はピエンロー鍋の残り。とろとろに煮えた白菜と春雨が寒い朝においしく、ほかほかと温まります。味をつけていないので、朝にはキムチを添えて味変しながらいただきます。
ぽかぽかタンパク質スープの朝ごはん④
あつあつ味噌チゲスープ
韓国の鍋を使えば、テーブルの上でも温かさが長持ち。きのことねぎ、豆腐を入れた普通の味噌汁ですが、あえて韓国の鍋でみそチゲ風につくってどーんと出せば立派に主役に。
タンパク質を補うために卵も追加して、熱々の豆腐と卵をふうふうしながらいただきます。
※ ※ ※
ところで、日本ではスープは「飲む」といいますが、英語ではスープは「eat」を使うってご存知ですか?
フランス語やドイツ語でもスープは「食べる」だそうです。カップに直に口をつけて口に流し込むなら「飲む」ですが、スプーンで口に運ぶなら「食べる」ものであるという発想に基づいているようです。
英語圏のスープは具が多かったり、とろみがあったり、食べごたえがあるものも多いのかなと想像しています。
タンパク質の朝ごはんでは、そうした食べるスープを目指していきたいなと思っています。
田内しょうこ(たうち・しょうこ)
「忙しい人のための時短料理」「時間価値を生むシステム料理」をテーマに、書籍や雑誌、ウェブサイトで発信。セミナーや出張教室のほか、食と暮らし、子育て関連の情報発信を行う。著書に『時短料理のきほん』(草思社)、『働くおうちの親子ごはん』(英治出版)、『汁かけごはん』(駒草出版)など。
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