• 台所道具には、その道具を使う人ならではのストーリーがあります。愛用の道具を聞けば、その背景の暮らしや料理が見えてくる。料理家・今井真実さんに、料理に向き合う毎日の暮らしを助けてくれる小さな相棒「バッラリーニのフライパン」について教えていただきました。
    (『人生が変わる台所道具 私を助ける小さな働きもの』より)

    気に入った道具が与えてくれるときめきや、幸福感。積み重ねが大きな満足に

    使っているのはおなじみの食材。ただ少し、いつもと違う組み合わせ、ちょっと意外な手順。今井さんの料理には、どれもうれしい驚きがあるのです。

    そんな名レシピが生まれる現場は、家族4人が暮らす一軒家の、一般的なキッチン。鍋の数がとびきり多いわけでもなく、いわゆるプロ仕様のツールにあふれているわけでもありません。

    台所道具を手に入れるときはよくよく考え、ひとつで二役も三役もできるものを選びたいと思う。

    けれど、時には意を決して、ちょっと贅沢な道具に手を伸ばしたりもする。

    プロといえども、道具を選ぶときの迷いやドキドキは、普通の人と何ら変わらないと言います。

    画像: 家族の毎日のごはんと、仕事のための料理と。そのふたつは大きく区別せず、いつでもおいしいと思うものを、つくって食べて紹介する。家族のふとしたひと言をヒントにして生まれたレシピも多い

    家族の毎日のごはんと、仕事のための料理と。そのふたつは大きく区別せず、いつでもおいしいと思うものを、つくって食べて紹介する。家族のふとしたひと言をヒントにして生まれたレシピも多い

    「収納も予算も限られる中で、じっくり考えて迷って、それでもこれは必要だと思って買ったものはすごく大切にするし、愛情を持って長く使えます。

    台所道具ってどれも相当丈夫で、使えなくなって買い直すことってあまりないんですよね。もう少し使える、まだ大丈夫……で、どんどん買い直すきっかけを逸してしまうから、最初に家に入れるときにきちんと吟味したかどうかが、実は後々まで影響するんです」

    今、台所にあるのは、さまざまな条件をクリアした頼れる相棒。それらを手にして料理をするとき、今井さんはふと、幸せってこんなことの積み重ねかもしれないな、と思うのです。

    画像: コンパクトなキッチンのため、必要最低限の道具だけを置いている

    コンパクトなキッチンのため、必要最低限の道具だけを置いている

    今井さんの愛用道具
    ステーキの焼きあがりはピカイチ「バッラリーニのフライパン」

    画像: 今井さんの愛用道具 ステーキの焼きあがりはピカイチ「バッラリーニのフライパン」

    思い切って高価なフライパンを試してみたり、割り切ってリーズナブルなフライパンにしてみたり。そんな長年のフライパン迷子だった今井さんの結論が、こちらです。

    「鉄製もいいけれど、毎日ストレスなく使うなら、コーティング加工されたフライパンが便利。でも、使ううちにコーティングがはがれてしまう。ずっと陥っていたそのジレンマから、ようやく解放されました」

    今井さんが考える使いやすいフライパンの条件は、コーティングの丈夫さに加えて、ある程度重さがあること。

    「軽い方が使いやすいと思いがちですが、“軽い=素材が薄い”なので、熱しやすく、冷めやすいという欠点につながり、料理をおいしく仕上げるのが難しくなるんです。

    コーティングは永久ではないけれど、仕事でハードに使っているのに、十分耐えてくれています。このフライパンに出合ってよかったことは、ダメになっても、『またバッラリーニを買えば大丈夫』と思えること。もう迷子じゃないぞ、っていう安心感です」

    今井さんの使い方

    牛肉のステーキをつくる

     フライパンに多めの油とにんにくの薄切り1かけ分を入れて弱火にかけ、フライドガーリックをつくる。一度取り出して軽く油を拭き取ってから、バター5gを熱し、室温に戻した牛肉の脂身の部分を焼きつける。

    画像1: 牛肉のステーキをつくる

     脂身がこんがりと焼けたら、肉をねかせる。今回は2cm厚さ200gの肉を使用。余分な脂をキッチンペーパーで拭き取りながら片面2分ほど焼く。うっすらと表面に肉汁が浮いたら裏返す。

    画像2: 牛肉のステーキをつくる

     焼きあがった面に塩ひとつまみを振る。生肉の状態で塩を振ると焼くときにうまみが流れ出るため、このタイミングで。こちらの面も2分焼き、同様に塩ひとつまみを振って一度取り出す。

    画像3: 牛肉のステーキをつくる

     余分な脂を拭き取り、みそ、はちみつ各大さじ1、粒マスタード小さじ1を加え、とろみがつくまで煮立てる。器に盛ったステーキにかけ、つくっておいたフライドガーリックをのせる。

    画像4: 牛肉のステーキをつくる

    「肉の焼き時間は、厚さ1cmに対して片面1分。だから、今回は片面2分です。焼く前に肉を室温に戻すのを忘れずに!」

    ズッキーニのソテーと盛り合わせて完成。

    画像5: 牛肉のステーキをつくる

    深型フライパンでスパゲッティをゆでる

    画像: 深型フライパンでスパゲッティをゆでる

    鍋感覚で使える28cm深型なら、パスタもゆでられる。「スパゲッティなどのロングパスタがぴったり入るサイズ。深型はソテーから煮込みまで使えるので、使う頻度も高いです」

    ミニサイズのフライパンで卵を焼く

    画像: ミニサイズのフライパンで卵を焼く

    蓄熱性が高いのも、バッラリーニの魅力。目玉焼きの縁はこんがり、黄身はとろり。

    「ほどよい重みがあるから、コンロの上ですべらないのもいいんです」


    画像: 料理家・今井真実さんの人生を変えた「バッラリーニのフライパン」。長年のフライパン迷子からの結論/人生が変わる台所道具

    フライパンについて

    商品名:ヴィピテーノフライパン深型28cm

    メーカー名:バッラリーニ

    サイズ:直径28(全長48)×高さ10.5cm(重さ1.2kg)

    *ほかに直径20cm、26cm浅型のフェラーラ(写真左)も愛用

    素材:アルミニウム(本体)ほか

    使用年数:約5年

    ヴィピテーノシリーズは、新しい「ネロライト・コーティング」を採用。4層構造で、金属へらも使える耐久性。温度が高くなるとハンドル根元のピンが自動で上がる仕様。


    本記事は『人生が変わる台所道具 私を助ける小さな働きもの』(家の光協会)からの抜粋です


    〈撮影/馬場わかな 取材・文/福山雅美〉

    今井真実(いまい・まみ)
    神戸市生まれ、東京都在住。食べることが好きな一家に生まれ、幼い頃から食に興味を持つ。食と暮らしにまつわる文章にもファンが多く、レシピを添えたエッセイも好評。2023年には、愛用のフライパンを使った『フライパンファンタジア』(家の光協会)、新たな梅しごとを提案する『今井真実のときめく梅しごと』(左右社)など、独自の切り口のレシピ本を出版。
    X:@mamiimai_gohan

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    『人生が変わる台所道具 私を助ける小さな働きもの』(家の光協会)|amazon.co.jp

    『人生が変わる台所道具 私を助ける小さな働きもの』(家の光協会)

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    「あなたの人生を変えた台所道具を教えてください」というテーマから、暮らし関係の仕事に携わる6人が厳選した愛用の台所道具を紹介。道具のお話を聞くうちに、道具の背景にある、料理や暮らしのことが見えてきました。「料理をもっと楽しむ」ために、6人6様のストーリーを読みながら、自分のライフスタイルに合うものを探してみてください。



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