• 大人世代が抱える「こころとからだ」のお悩みや疑問について、頭痛・漢方専門「らいむらクリニック」の來村昌紀先生が、やさしく回答。今回は、季節の変わり目、湿疹などの肌トラブルを緩和したいという、すずきさんのお悩みにアドバイスをお送りします。

    : 季節の変わり目の、全身のかゆみや肌荒れ。少しでも症状を緩和できる方法を知りたいです!

    画像1: 季節の変わり目の全身のかゆみや肌荒れ。「季節性湿疹」のつきあい方は? おすすめの漢方・対処法|來村先生のこころとからだのお悩み相談室

    かゆみが気になって、睡眠や日常生活にも影響が……

    季節の変わり目、全身のかゆみや、ひどい肌荒れ(出血や痛みをともなう)に悩まされています。

    皮膚科の診断では、アレルギーからくる「季節性湿疹」とのことでした。

    一生つきあっていかなければならないものと納得はしているものの、睡眠も含め、さまざまなことに集中ができなかったり、スムーズに進められなかったりとストレスになっています。

    少しでも症状を緩和できる方法があれば知りたいです。

    (すずき さん/45歳・会社員)

    :季節性湿疹には、季節ごとの原因と対処法があります

    画像2: 季節の変わり目の全身のかゆみや肌荒れ。「季節性湿疹」のつきあい方は? おすすめの漢方・対処法|來村先生のこころとからだのお悩み相談室

    花粉や黄砂、紫外線に乾燥……原因はさまざまです

    春・夏は花粉、黄砂、紫外線。秋・冬は乾燥が要因

    アレルギーからくる季節性湿疹でお悩みなのですね。出血や痛みをともない、夜も眠れないこともあるとのことで、かなりおつらい状態だと思います。

    季節の変わり目に全身がかゆくなるのには、季節ごとの原因があり、それによって対処法が変わってきます

    春と夏は、花粉黄砂などのアレルゲンや、だんだん強くなってくる紫外線などの影響によって皮膚が刺激を受けて、かゆみが引き起こされます。

    また夏は汗をかくことで、汗に含まれる塩分やアンモニア、脂分などの成分が皮膚の刺激となり、かゆみを引き起こす要因となります。

    夏の場合は、紫外線対策もしっかりしましょう。紫外線は皮膚のバリア機能を壊すため、日傘をさしたり、日焼け止めを使うのもおすすめです。

    秋冬は逆に乾燥により、皮膚の水分が奪われ、皮膚のバリア機能が低下し、刺激を受けやすい状態となりかゆみが引き起こされます。

    対処法としては、まずはかゆくてもできるだけ掻きむしらないことが大切です。皮膚をかきむしると皮膚のバリア機能が低下し、さらに炎症がひどくなり、かゆみの症状がひどくなってしまいます。

    かきむしる以外にも肌をこすったり、叩いたりして刺激を与えるのも控えましょう。

    入浴時・睡眠時に気をつけるポイント

    お風呂で体を洗うときにゴシゴシこすったりして皮膚の表面を傷つけたり、綺麗に洗いすぎることによって肌の潤いに必要な皮脂まで落としたりしないように注意が必要です。

    洗浄力の高い石けんやボディーソープを使わないようにし、肌にやさしい低刺激性の石けんやボディーソープを使うようにしましょう。お湯の温度は少しぬるめにし、長時間の入浴は控えましょう。

    入浴後もタオルで拭くときは肌をこすらずやさしく抑えぶきするようにしましょう。

    そしてまだお肌が乾かないうちに化粧水や保湿ローション、乳液などのスキンケア用品で肌を保湿するようにしましょう。

    私も最近、乾燥肌でかゆみがあるため、さっとぬるめのお風呂に入った後に保湿のクリームを塗っています。

    また眠る部屋は暖房の温度を上げすぎないように設定し、加湿器をつけて寝るようにしています。

    肌トラブルを和らげる食べもの

    バランスの取れた食事も大切です。

    肌の乾燥を防ぎ、傷を早く治すためには皮膚の材料になるタンパク質、皮膚の代謝をよくして、乾燥を防ぐにはビタミンBを摂りましょう。ビタミンBは豚肉レバー大豆製品などに多く含まれています。

    花粉症などのアレルギーが原因のかゆみは、アレルギーを防ぐ乳酸菌などを多く含む発酵食品を摂りましょう。キムチ味噌納豆ヨーグルトなどもおすすめです。

    おすすめの漢方

    漢方ではお肌の炎症を抑え皮膚のかゆみを抑える白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)、イライラやかゆみを抑える黄蓮解毒湯(おうれんげどくとう)、お肌を潤し、乾燥を防ぐ当帰飲子(とうきいんし)などが使われます。

    また漢方ではお腹の調子を整えるとお肌の調子がよくなると考えます。たとえば便秘をするとニキビが悪化するという経験をしたことがある方もあると思います。便秘や逆に下痢をしやすいという方は、まずはお腹の調子を漢方薬で整えみてくださいね。

    今回のお話が少しでもお肌のかゆみや肌荒れを防ぐことにお役に立てれば幸いです。

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    〈イラスト/コグレチエコ〉

    画像: おすすめの漢方

    來村昌紀(らいむら・まさき)

    頭痛専門の脳外科医として大学病院に勤務しながら漢方専門医の資格を取得。2014年、千葉県に、「らいむらクリニック」を開設。著書に『頭痛専門医・漢方専門医の脳外科医が書いた頭痛の本』『漢方専門医の脳外科医が書いた漢方の本・入門編』(ともにあかし出版)など。YouTubeチャンネル『らいむらクリニック チャンネル』でも、頭痛や漢方のお話を解説。
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