(『天然生活』2022年8月号掲載)
山田奈美さんの“さそすせそ”
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
昔ながらの製法で、どんな料理にも合わせやすいもの
みりん
白扇酒造の「熟成本みりん」
手づくりの麴を原料に、伝統製法を守りつづけている白扇酒造。仕込みに90日、熟成に3年を費やしたみりんには深い甘味がある。
「このみりんを使うようになってから砂糖を使わなくなりました。料理だけでなく、焼き菓子やプリンなどの甘味にも」
酢
内堀醸造の「臨醐山(りんこさん)黒酢」
岐阜県八百津町で、独自の技術により米の甘味を生かして醸造した、味わい豊かな黒酢。
「コクと甘味があり、料理が一気に奥行きのある味わいに。酢豚やスペアリブの煮込みなどのほか、トマトの煮込みなど洋風料理にも少し加えるとコクが増します」
油
関根油店の「玉締め搾り胡麻油」
江戸時代より続く伝統技法「玉締め搾り」でゆっくり搾油した後、和紙で濾過した純度の高いごま油。
「生のままナムルやドレッシングに加えたり、パスタとあえたり。和洋中どんな料理にも違和感なくなじみます。揚げ油としてもおすすめ」
酒
杜の蔵の「琥珀(こはく)の料理酒」
福岡県糸島市で契約栽培した無農薬の「山田錦」を原料に、醸造アルコールなどを添加せずにつくる。
「天然のアミノ酸などのうま味成分がたっぷり。少量でぐっと風味豊かにしてくれます。水の代わりに使って、煮魚や肉じゃがをつくると最高です」
油
坂本製油の「純正なたねしらしめ油」
圧搾一番搾りの菜種油を精製し、色と香りを抜いたしらしめ油。
「無味無臭の油で、主にお菓子づくりに使っています。溶剤や防腐剤などを使わずに、原料も非遺伝子組み換えの菜種を使用しているので、安心して使えます」
手づくり調味料
マヨネーズ
小鍋に卵1個を割り入れ、なたねしらしめ油大さじ1、酢大さじ1、塩小さじを加え、泡立て器でよく泡立てる。
中弱火にかけながら混ぜ、とろりと固まってきたら火からおろし、練り辛子を加えてサッと混ぜ合わせて完成。
すぐにとろみがつくので、油の量をぐっと減らせる。
おすすめ料理
黒酢酢豚
ひと口大の豚もも肉200gをつけ汁(しょうゆ、黒酢各大さじ1、みりん大さじ2、塩少々、水50mL、しょうが、にんにく各小さじ1)に15分以上つけ込み、片栗粉をまぶして油で揚げる。
玉ねぎをごま油で炒め、つけ汁に水溶き片栗粉を加えて煮立て、豚肉を戻し入れたら完成。
<撮影/林 紘輝 取材・文/山下あい>
山田奈美(やまだ・なみ)
薬膳・発酵料理家。神奈川県葉山の自宅にて、「和食薬膳教室」や「発酵教室」などを開催。著書に『菌とともに生きる 発酵暮らし』(家の光協会)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです