あの日から13年。故郷の福島へ
今年で東日本大震災から13年が経とうとしています。ついこの間のことのように思い出しますが、13年というと、子どもたちの中にはあの震災を知らない世代もいて、私の2人の子どももそうです。
親として、あの地震を経験した大人として、伝えていくことの大切さをひしひしと感じています。特に今年の元日にあった、能登半島の地震でそう感じました。
2歳の娘は能登半島の地震以降、テレビでその映像を見るたびに「これ地震?」と聞くようになりました。
それ以外にも、強風にあおられてパネルが飛んだとか、交通事故の映像とか、そんなニュースにも「これ地震?」と確認するようになりました。
小さい子どもながらに感じていることがあるんだなぁと思います。まだ分からないからなどと思わずに、地震とはどんなものなのかということ、そして身を守る術を教えていかなくてはいけないと思っています。
そのためにも私自身が、正しい知識を身につけなくてはいけませんね。
今年はお仕事で福島県いわき市に行く機会に恵まれ、海を見てきました。天気もよくて、空の青、雲の白さ、海の青にきらめきと、ほんとうにキレイでした。
私がお邪魔した港では、以前よりも防波堤が高く築かれ、13年の月日を感じました。
近くの釣具店の店主の方にお話しを聞くと、やはり当時のことはあまり思い出したくないとのこと。
でも、前日にフルマラソンが開催され、この辺りをたくさんのランナーの方が通り、自分は太鼓の演奏をして応援したんだと、嬉しそうに写真を見せて下さいました。
何もない所だけど、人が来てくれると嬉しいとおっしゃるその笑顔が印象的でした。
また、ここの海に魅せられて戻って来たという方にもお会いし、ステキなカフェにお邪魔しました。
何もないというのは、悪いことがなにもないってことでもあるんだよ。と、教えてくれたラーメン店の奥さんの言葉があります。
いつもどおりの生活がいつもどおりに送れるということが、どれだけ尊いことなのか。改めて感じる出会いでした。
鮮魚店ではお土産を買って帰りましたよ。干物に、新商品の煮凝りと、カレーの缶詰や離乳食なんかもオリジナル商品らしく、楽しく色々お買いものさせていただきました。
私の故郷福島県は、まだ震災後の課題がたくさんある県です。
これからも胸の痛むニュースが出てくるかもしれませんが、それでもせめて毎年3月11日だけでもあの日を思い出し、今の自分にやれることをみつめたいと思います。
白鳥久美子(しらとり・くみこ)
1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。