• いつまでも元気で好きなことができる体づくりのために、自分のできる範囲で、1日10分、筋トレをしてみましょう。スポーツ科学の専門家で、健康について研究している樋口満さんに、将来の健康を保つための筋力を維持できる、基本的なトレーニングを教わりました。今回は、体幹の筋トレを紹介します。
    (『天然生活』2021年5月号掲載)

    体幹の筋トレ <それぞれ10回ずつ>

    体幹筋とは、胴体(頭、首、脚以外)にある筋肉の総称で、直立姿勢を保ったり、上半身と下半身の動きを連動させたりします。また、内臓を支える働きも。

    この筋力が弱ると、下腹部がぽっこり出てきたり、姿勢がくずれて腰痛を引き起こしたりする原因に。

    また、内臓機能や基礎代謝の低下を招き、免疫力も下がります。おなかまわり、背中まわり、腰まわりの筋力をしっかりと高めて、バランスの整った、力を発揮しやすい体をつくりましょう。

    画像: 体幹の筋トレ <それぞれ10回ずつ>

    体を横に倒す

     足は肩幅程度に開き、姿勢を正して、椅子に深く腰掛ける。両手は交差して胸元に添え、ゆっくりと上体を片側に倒す。

    画像1: 体を横に倒す

     倒すときにお尻が浮かないようにすることがポイント。いけるところまで倒したら、左右を交換する。

    画像2: 体を横に倒す

    体をひねる

     足は肩幅程度に開き、姿勢を正してまっすぐ前を向いて、椅子に深く腰掛ける。両手は交差して胸元に添える。

    画像1: 体をひねる

     片脚を浮かせて前に伸ばす。伸ばした脚とは反対側に、上半身をひねる。このとき足首は直角、つま先が上を向くようにする。

    画像2: 体をひねる

     片脚を伸ばしたまま、4拍でひねり、4拍で戻したら、左右を交換。ひねりながら上半身が伸び上がるイメージで行うこと。

    画像3: 体をひねる

    仕上げに筋肉をほぐす

    筋肉を使ったあとそのままにしておくと、こわばってしまい、体のゆがみなどを生じさせる場合も。

    運動後のクーリングダウンに、ストレッチを取り入れましょう。筋肉や腱をゆっくりほぐすことで柔軟性が高まり、関節の可動域が広がるだけでなく、副交感神経の働きが上がり、疲れた筋肉のケアに。

    伸ばしたい筋肉を意識して、はずみをつけずに、心地よいと感じる程度に、筋肉を伸ばすことが大切です。息を止めずに自然な呼吸をしながら行うのもポイント。

    お尻の筋肉をほぐす

    画像: お尻の筋肉をほぐす

    椅子に座り片膝を両手で抱え、引き寄せるのと同時に下ろそうとする動きを5秒行う。左右3回ずつ。

    太ももの裏の筋肉をほぐす

    画像1: 太ももの裏の筋肉をほぐす
    画像2: 太ももの裏の筋肉をほぐす

    椅子に深く腰掛け、片足の裏にタオルをかけ、伸ばす。タオルを手前に引く動きと、脚を下ろそうとする動きを同時に5秒行う。左右3回ずつ。



    <監修/樋口 満 イラスト/にしごりるみ 取材・文/長谷川未緒>

    樋口満(ひぐち・みつる)
    早稲田大学スポーツ科学学術院名誉教授。教育学博士。アクティヴ・エイジング研究所顧問。健康スポーツ科学、スポーツ栄養学を研究。ハンガリー体育大学名誉博士。第20回秩父宮記念スポーツ医・科学賞功労賞を受賞。『女は筋肉 男は脂肪』『体力の正体は筋肉』(いずれも集英社新書)など著書多数。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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