「朝食に甘いもの」でも、タンパク質は摂れる?
みなさん、今朝の朝ごはんは何を食べましたか。
先週末、アメリカから夫の友人の若いカップルがやってきました。まだ20代の彼女が「朝ごはん用に!」とメープルシロップとバターが挟まったパンケーキ風の菓子パンを嬉しそうにコンビニでいくつも買うのを、わかるわ〜と懐かしい気持ちで眺めました。
何度も書いていますが、もともとわたしは、朝に甘いものを食べるのが好きです。コーヒーとドーナツ、コーヒーとマフィン、コーヒーとシナモントーストなどなど。
子どもの頃から朝に弱くて、あまり朝ごはんに興味がなかったことに加え、学生時代のアメリカ生活で、朝にコーヒーと甘い粉ものを食べる習慣が染み付いていたのです。
もう7年ほど前ですが、わが家にカナダ人の中学生の女の子が2週間のホームステイにきたことがありました。
ご両親からも「本当に食が細くてごめんなさい」と事前にご連絡をいただいていたくらい、食べられるものが少ない子で。朝ごはんなど、もちろん食べるはずもありません。
ウインナーとスクランブルエッグとバターロールを出しても、ウインナー1本をやっとかじるくらいでした。
ところがある日、ワッフルを焼いたならば。その子がなんと、いきなりたくさん食べ始めたではありませんか! 前日まで、バターロールにさえ手もつけなかったのに。
食の細い子でも甘いものなら食べやすいんだな、とあらためて納得。
バターロールもワッフルも似たようなものに見えますが、彼女にとっては明らかに、ワッフルは食べやすいものだったのですね。
なんとか少しでも食べさせようと、ホイップクリーム&メープルシロップにいちごとブルーベリーのダブルベリー添えという、いかにもカナダで食べていそうな慣れ親しんだ組み合わせで出したこともよかったのかもしれませんが。
ただ、こうした朝ごはんはタンパク質はあまり多くはなさそう……。ということで、わたし自身が3年前に一念発起してタンパク質朝ごはん改革を始めてからしばらくは封印していたのですが、最近また甘いものも楽しく選んで食べられるようになっています。
というのも、タンパク質の摂り方や考え方に慣れてきて、朝ごはん候補から外していたものの中でも、レシピによっては意外とタンパク質も含まれることがわかってきたからです。
たとえば、上のワッフルの生地は、パンケーキとまったく同じもの。卵と牛乳に粉を加えてつくるので、内容的には実は、わたしが摂取量の目標にしている「卵2個分+炭水化物」にまあまあ近いものだったんですね。それに気づいてからは、少しずつ甘いものもまた楽しんでいます。
もちろん砂糖の摂取量はどうしても増えてしまうし油も多いので(場合によってはクリームも……)、毎日食べるのはNGですが、たまのお楽しみのメニューもタンパク質的には諦めなくてよいものだとわかり、後ろめたさなしに堂々と食べられるようになりました!
それでもわたしが本当に好きなバタートーストやイーストドーナツなどは、ほぼほぼ小麦粉なので、依然としてチートメニューですけどね。小麦粉もタンパク質はそれなりに含むとはいえ、やはり炭水化物だけでは栄養バランスがあまりに偏ってしまうので……。
甘いもの欲を満たしてくれるタンパク質朝ごはんアイデア
スイーツなタンパク質朝ごはん①
フレンチトースト
卵+牛乳を加えるフレンチトーストは、1人前の卵・牛乳の摂取量が多く、タンパク質的には合格なスイーツ朝ごはん。バゲットでつくるのがしっかり食感で好みです。
ベーコンを添えるとタンパク質がプラスになるうえ、ちょっとごはん感が増して満足感あり。
スイーツなタンパク質朝ごはん②
フレンチトースト風ふんわりオムレツ
パン粉(大さじ5)を牛乳(150mL)に浸してやわらかくし、卵1個と砂糖少々を加えてオムレツ風に焼きます。メープルシロップなどをかけて。
子どものときに漫画雑誌に載っていたレシピで、わたしの料理原点でもある懐かしい味。パンもごはんもない日にも便利です。
スイーツなタンパク質朝ごはん③
チーズトースト+ジャム
バタートースト+ジャムとしたいところを、チーズでタンパク質を少し補って。少し塩気のあるチーズとジャムは驚くほどバランスがよく、リピートするほど気に入っています。
写真の紅玉ほか、プラムなど甘酸っぱい系のジャムがおすすめ。
スイーツなタンパク質朝ごはん④
パンケーキ
フレンチトーストより1人前あたりの卵・牛乳量が少し少ないので、できればヨーグルトや卵、ベーコンなどで少しタンパク質を補うとベスト。ダラーパンケーキというひと口サイズのパンケーキにすると、楽しく満足感もあります。
※ ※ ※
ところで、みなさんはこうしたごはんに添えるのは、ブラックコーヒーですか? それともカフェラテですか? わたしは断然ブラックコーヒー派です。
次回は、ブラックコーヒー派が陥りやすいタンパク質不足について考えてみたいと思います。
田内しょうこ(たうち・しょうこ)
「時短料理をサステナブルな知恵に」をモットーに、ゆとりを生みだすための時短の知恵を書籍や雑誌、ウェブサイトで発信。セミナーや出張教室のほか、食と暮らし、子育て関連の情報発信を行う。著書に『時短料理のきほん』(草思社)、『働くおうちの親子ごはん』シリーズ(英治出版)、『汁かけごはん』(駒草出版)など。
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