(『天然生活』2023年10月号掲載)
よく眠れるための夜の習慣
筋トレを夕方から20時ごろの間にする
1日20分の筋トレは睡眠改善の一助に。
「この時間に筋トレやラジオ体操をすると、ノンレム睡眠時に分泌される成長ホルモンの量が増加します。成長ホルモンは代謝を上げるなど多様な効果があり、体の調子やリズムが整い、より睡眠の効果が高まります」
歯磨きは寝る1時間前までにする
歯茎が刺激されると睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌量が減り、入眠を妨げる可能性が。
「洗面所の明るい蛍光灯を浴びながら集中して磨くことも脳の刺激に。寝る1時間前までには済ませましょう。逆に日中の眠気覚ましには、昼食後の歯みがきが有効」
夕食は寝る3時間前までに済ます
食後は食べたものを消化吸収するために胃腸が活発に動き、2~3時間は交感神経が優位な状態に。つまり、睡眠に適しません。
「食事のタイミングで水分も摂っておきましょう。寝る直前に摂ると、夜間にトイレに行きたくなって覚醒しやすいためです」
眠れないときは考えごとを書き出す
眠れずに考えごとが頭に渦巻いてきたら、一度起きて内容を紙に書き出してみて。
「アウトプットすると脳が整理されて落ち着きます。ただし、スマホにメモするのは光が眠りを妨げるので逆効果。就寝時もスマホは手の届かない位置に置きましょう」
就寝1時間半前に湯舟に浸かる
就寝時に自然な眠気を呼ぶために、寝る1時間半から2時間前に入浴して深部体温を引き上げます。
「熱いお湯ではなく40℃以下のぬるめのお湯に最低10分は浸かってください。発泡性の入浴剤を使えば、短時間でも効率よく深部体温の上昇を促せます」
夜の照明は暖色系にし、就寝時は消す
メラトニンは夕方から分泌が始まり、暗いほどその量が増加します。
「夜の照明は明るい蛍光色を避け、リラックスできるオレンジの電球色がおすすめです。就寝時は真っ暗が理想ですが、天井照明の豆球やフットライトなら睡眠に影響はありません」
<監修/白濱龍太郎 取材・文/熊坂麻美 イラスト/イオクサツキ>
白濱龍太郎(しらはま・りゅうたろう)
2013年に「RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック」を設立し、約2万人の睡眠の悩みに向き合ってきた。企業での講演活動のほか、東京オリンピックでは選手のサポートも担当。テレビや雑誌などのメディアにも数多く出演し、睡眠の大切さを伝えている。著書に『ぐっすり眠る習慣』(アスコム)などがある。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです