• 洋服や布小物など身に着けるおしゃれアイテムは、シンプルで心地よく、そして長持ちするものを。頭であれこれ考えるより素材の色合いや手触りを感覚で確かめて、心がときめくものをどんどん形に。美濃羽まゆみさんの、服づくりについて伺いました。
    (別冊天然生活『美濃羽まゆみさんの手づくりのある暮らし』より)

    好きな服をつくるようになって、流行に左右されなくなりました

    娘の服づくりをきっかけに、洋裁の仕事を始めた美濃羽さん。シンプルで着やすく、つくりやすさも考えた子ども服は、同じ子育て世代に親しまれ、少しずつファンが増えていきました。

    画像: アトリエで生地を確認しながらイメージを膨らませて。「いつも、自分が欲しいと思うものをつくっていますね」

    アトリエで生地を確認しながらイメージを膨らませて。「いつも、自分が欲しいと思うものをつくっていますね」

    「娘は赤ちゃんのころから、体が小さくて肌も敏感だったので、なかなかしっくりくる服に出合えなかったんですね。それで、娘が嫌がらずに着られる布を探して、見よう見まねでつくり始めたんです。最初なんて、ゴムを通しただけの粗末なスカートでした。そのころはベビー服の本も見当たらなかったので、娘の体に新聞紙をあてて型紙にしたこともありましたね。でも、そんな服でも娘はとっても喜んで着てくれて。あのときのキラキラした笑顔はいまでもよく覚えています

    画像: ブランドを立ち上げた初期のころの子ども服。娘が毎日のように着ていた思い出のワンピースでもあり、サイズアップして何着もつくったそう

    ブランドを立ち上げた初期のころの子ども服。娘が毎日のように着ていた思い出のワンピースでもあり、サイズアップして何着もつくったそう

    娘のお気に入りのぬいぐるみの名前をヒントに名付けた洋服ブランド「FU-KO basics.」(フーコ ベーシック)。長く着つづけられる飽きのこない服をつくろうと決め、「basics.」を付け足しました。

    やがて子ども服を愛用しているお客さまから、大人の服もつくってほしいというニーズが。

    子どもと色違いで着てみたい、同じような布とデザインで大きなサイズがあれば、そんな声に背中を押され、大人服も手掛けるようになり、いまでは美濃羽さんの装いも、自身の手づくり服がほとんどです

    画像: 素材感が映えるシンプルなローブコートは、プルオーバーとのコーディネートがお気に入り。ともに2024年の新作

    素材感が映えるシンプルなローブコートは、プルオーバーとのコーディネートがお気に入り。ともに2024年の新作

    画像: よく着るのは麻や綿などの天然素材。「このワンピースの生地は、色と肌触りにほれ込んだ浜松のリネンです」

    よく着るのは麻や綿などの天然素材。「このワンピースの生地は、色と肌触りにほれ込んだ浜松のリネンです」

    「自分で服をつくるようになったら、いつでも好きなものを着られる。流行に左右されなくなりました。デザインだけでなく、納得できる素材を選べるのもうれしいですね。自分がいいなと思うものを、自分でていねいにつくって、長く大事に着ています

    画像: 愛用のミシンのそばには自作のポケットを備えて。「はさみなどをすぐにどこかに置き忘れてしまうので、定位置をつくりました」

    愛用のミシンのそばには自作のポケットを備えて。「はさみなどをすぐにどこかに置き忘れてしまうので、定位置をつくりました」

    <撮影/辻本しんこ 取材・文/山形恭子>

    本記事は別冊天然生活『美濃羽まゆみさんの手づくりのある暮らし』からの抜粋です

    別冊天然生活『美濃羽まゆみさんの手づくりのある暮らし』

    別冊天然生活
    『美濃羽まゆみさんの手づくりのある暮らし』

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    7/6(土)開催!美濃羽まゆみさんトークイベント

    新刊『美濃羽まゆみさんの手づくりのある暮らし』の発売を記念して、オンライントークイベントを開催します。

    手づくりの服や保存食のことなど、衣食住にまつわるお話をたっぷりお話していただきます。

    美濃羽さんが暮らす、築約100年の町家のルームツアーやはたきづくりのデモンストレーションも!

    アーカイブは8/30まで繰り返し何度でもご覧いただけます。ぜひ本と合わせてお楽しみください!

    ▼詳細はこちらから
    『美濃羽まゆみさんの手づくりのある暮らし』出版記念トークイベント
    https://teket.jp/1312/35722

    美濃羽まゆみ(みのわまゆみ)
    洋裁作家、手づくり暮らし研究家。1980年京都生まれの京都育ち。築約100年の京町家で夫、娘、息子、猫2匹と暮らす。20代後半、仕事の育休中に娘の服づくりを始め洋裁作家の道へ。2008年より洋服ブランド「FU-KO basics.」(フーコベーシック)を立ち上げ、シンプルで着心地のいい子ども服・大人服を制作、毎年個展や受注会を開催している。近年はブログやワークショップを通じて「手づくりのあるほんのりていねいな暮らし」を提案するほか、洋裁学校の講師や著書の執筆、京都円町の子どもの居場所「くらら庵」での活動、メディア出演など多方面で活躍。著書に『心に残る、子ども服』(日本ヴォーグ社)、『子どもの「好き」から始まる心地よい暮らし』(大和書房)など。2024年5月に『手ぬいでちくちく、暮らしの布小物』(家の光協会)が発売。



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