(『天然生活』2023年7月号掲載)
雑多なものだからこそお気に入りの容器に
「長年、大事に取っておいたけど、使う機会がない缶がいくつもあって。ボタンを入れるのにぴったりだなと思いついたんです」
そういって見せてくれたのは色や柄がかわいい缶。中身のボタンも眺めているだけでワクワクします。
ディスプレーを手がけるみつまさん。自宅も飾るように見せる収納をしているのが印象的で、見せるところと隠すところと、しっかり線引きすることを心がけています。
「細かいものや雑多なもの、見た目が好みじゃない機械的なものって、生活のなかでどうしたって発生してしまいますよね。私はなるべく気分が上がる入れ物に入れています」
空き缶のほか、ステンレスやかごなど、さまざまな素材のものがあるなかで、とくにおすすめというのが、ガラス。ガラス好きが高じて本まで出したみつまさん。家のあちこちにガラス製品が並びます。
「これから使うウエスや使用済みのキッチンタオルなどを、それぞれ別の花びんに入れています。中身が見えるし、かごと違って汚れたら洗えるのがガラスのいいところですね」
ウエスを入れたガラスは、あえてキッチンの特等席的な場所に置き、見せるように収納しているのだとか。いらなくなった洋服のはぎれさえ、インテリアの一部にする、みつまさんならではの収納術です。
手芸用品
かわいい空きびん・空き缶を使用
最低限の裁縫セットはジャムの空きびんに入れ、必要なときにこのびんだけを持ち運んで使う。
増えがちなボタンは紅茶やミントなどが入っていた小さな空き缶に収納。
「色や形でざっくり分けておくと、必要なときにすぐ取り出せます」
お菓子
個包装のお菓子は袋から出して仕分け
中学生になったという娘さんが幼かったころから続けているのが、チョコレートなどのお菓子の収納方法。
「買ったときの袋のままだとかさばるし、残量が確認しづらいので。100円ショップのステンレスの容器がぴったりで複数、使っています。ふたが半透明なところもいいんです」
ウエス
中身が見え、すぐに手に取れる場所に
ウエスを入れているのは「イケア」で購入したガラスベース。
「ときどき、枝ものなど大きな植物を活けるときにも使いますが、ふだんはもっぱらウエス入れです」
ふた代わりにしているガラスの皿はたまたまサイズがぴったりだった。よく目に留まるキッチンの窓辺に置いている。
リモコン
100円ショップの仕切りを上手に活用
行方不明になりがちなリモコン類は持ち手のついたブリキ製のオーバルバケツに入れてテレビボードの上に。
「この中に入れるだけだとリモコンが倒れて寝てしまうので、立ててしまえるようにマグネット付きの仕切りを活用しています。磁石でバケツにくっつくから煩雑になりません」
薬
毎日飲む薬は、いつでも見える場所に
家族3人分の薬はすぐに手に取れ、飲み忘れないことが大事。お気に入りのかごに入れ、ダイニングテーブルのすぐ横のキッチンカウンターに配置している。
かごは「SPOONFUL」で購入したもの。左のひとまわり小さいものも同じショップのもので、中にはコースターを収納。
<撮影/星 亘 取材・文/結城 歩>
みつま・ともこ
ディスプレーデザイナー、スタイリスト。雑誌や書籍のスタイリングやイベント・展示会のディスプレーデザインを行う。著書に『飾る暮らしの作り方』『暮らしの図鑑 ガラス』(ともに翔泳社)がある。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです