(『天然生活』2021年2月号掲載)
規則正しい生活と食事の積み重ねで不調知らず
「健康のために特別なことはなにもしていないんです。主人から、もう少し運動したらっていわれるくらい」
そう笑って話す坂井より子さん。それでも肌はつやつや、全身から健やかな気配が漂っています。
現在75歳(※2021年当時)。幼いころからほとんど病気知らずで、風邪も滅多にひきません。その理由を尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「長年、規則正しい生活と、バランスのよい食事を続けてきたからではないかしら」
最近は、毎晩10時ごろに眠りにつき、朝の5時には自然と目が覚めます。
日中は家事などをこなし、ときどきひとりで、もしくは友人と気分転換。そんな生活が一年中、ほぼ変わらずに続きます。
「考えてみると、わざわざ運動はしないけれど、毎日家事をしながらいつも家の中を動き回っています。それも体にいいのかもしれませんね」
3食きちんと食べるのも毎日のこと。日々、工夫をこらして食事づくりをしています。
「高いものを買うわけではけっしてないけれど、食材にはこだわります。肉や魚、野菜、豆腐などはスーパーではなく、昔から地元の専門店で買っているんです。
調味料や加工食品を選ぶときも、なるべくシンプルなものを。原材料表示のところに知らないカタカナがなるべく入っていないもの、というのが私なりの基準です」
4年前から、平日は夫と娘家族、息子家族を合わせた9人分の夕食をつくっている坂井さん。食卓はいつもにぎやかだといいます。
家族で楽しく食卓を囲む。それもまた、健康を保つための大事な習慣なのかもしれません。
変化を受け入れ、楽しむことが元気の秘訣
神奈川県の葉山に暮らしてもうすぐ50年。海と山が近く、四季ごとの自然の変化を楽しめるのがうれしいと坂井さんは話します。
この50年間、子どもが独立して夫婦ふたりになったり、子ども家族との同居により大所帯になったりと、家族や生活のかたちも変化してきました。
「どんな状況でも、きたことを受け入れて楽しんで暮らすのは、昔からずっと変わりませんね」
その柔軟な姿勢が、坂井さんの心身を健やかに支える、確かな柱になっているようです。
ちょっとひと息
坂井より子さんの「リラックス方法」
自然の風景を楽しむ
ときどき家の近くの公園に足を運び、海や山の風景を楽しんでいます。
「ご近所の“ババ友”と一緒に眺めのよい場所でお茶を飲みながらおしゃべりするのも、私にとってはとてもよいリラックス法です」
写真の披露山公園など、坂井さんの地元には景色のいい場所が豊富です。
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〈撮影/柳原久子 取材・文/嶌 陽子〉
坂井より子(さかい・よりこ)
長年の主婦歴を生かし、家庭料理や暮らしの知恵を若い世代に伝える。著書に『受け継ぐ暮らし』『暮らしをつむぐ』(ともに技術評論社)。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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