• 自分で育てた野菜や、庭の植物を使って保存食をつくったり、インテリアに少し手を加えたり。手づくりは暮らしを豊かにします。今回は、鎌倉で手づくり雑貨の店「HAND&SOUL」を営む鎌田豊成さん、内藤三重子さんの手づくりを楽しむ暮らしを紹介します。
    (『天然生活』2020年11月号掲載)

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    家具も雑貨も手づくりして、唯一無二のものを

    「必要なものは何でもつくっちゃうの」と笑うのは、イラストレーターで造形作家の内藤三重子さん。

    テーブル、収納家具、本棚、ランプといった大物家具から、額、オブジェ、巣箱、人形などの雑貨まで、鎌倉にある築60年以上のお宅には、手づくりしたものがセンスよく並んでいます。

    画像: サンルームに置かれた収納ボックス兼小テーブルは三重子さん作。白いペンキを何度も重ね塗りして、最後にやすりをかけ、経年変化したような風合いに。上に飾ってあるのはココナッツボウルでつくったランプ

    サンルームに置かれた収納ボックス兼小テーブルは三重子さん作。白いペンキを何度も重ね塗りして、最後にやすりをかけ、経年変化したような風合いに。上に飾ってあるのはココナッツボウルでつくったランプ

    画像: キッチンに置いた木製の箱は、中にごみ箱を収納。閉じれば調理台になって、スペースを有効に活用できる

    キッチンに置いた木製の箱は、中にごみ箱を収納。閉じれば調理台になって、スペースを有効に活用できる

    仕事でもプライベートでも、さまざまなものをつくってきた三重子さんの原点は戦争にありました。

    「私は9人兄弟の末っ子で、貿易商だった父が海外からお土産に買ってきてくれたお人形をたくさん持っていたんです。それが戦争で全部焼けてしまって。戦後、お友達の分まで、お人形をたくさんつくりました。みんなすごく喜んでくれて、うれしかったの」

    画像: 三重子さんがつくった人形。集めているはぎれに小豆を詰めて、手足には細い流木を使っている。ユーモラスな表情も魅力的

    三重子さんがつくった人形。集めているはぎれに小豆を詰めて、手足には細い流木を使っている。ユーモラスな表情も魅力的

    デザイナーで造形作家の夫、鎌田豊成さんも、暮らしに手づくりのものを取り入れる達人です。

    「PRの仕事をしていたときにウィンドウディスプレイをしていた経験が根本にあります。お金をかけずに面白いものをつくるように叩き込まれまして、それが楽しかったんですよ」

    そんな豊成さんがつくるものには、流木や貝殻、ブイ、小石、葉っぱといった材料がよく使われています。

    美大の教授を務めていたころに住んでいた新潟の海岸や、鎌倉の散歩道で拾ったものが多いのだとか。

    画像: 結婚当初、三重子さんが古物屋で見つけた200円の天板に、豊成さんが脚をつけたテーブルは、いまも健在

    結婚当初、三重子さんが古物屋で見つけた200円の天板に、豊成さんが脚をつけたテーブルは、いまも健在

    画像: 若いころに海外旅行先で手にした切符の半券やレシートをコラージュして額に。見るたび思い出が蘇る

    若いころに海外旅行先で手にした切符の半券やレシートをコラージュして額に。見るたび思い出が蘇る

    「だれもがきれいだと思うものも素敵だけれど、だれも気づかないような美しさに気づけるともっと楽しいし、それを使って作品をつくり、見た人が感動してくれると、さらにうれしい」

    おなかが空いたらごはんをつくるように、必要なものを思いついたらつくるという三重子さんと、ユニークな着眼点と独自のセンスで唯一無二のものを生み出す豊成さん。

    そんなふたりが紡ぎ出す毎日には、アイデアと感動に満ちた手づくりの暮らしがありました。

    画像: 鎌倉にあるおふたりのお店「HAND&SOUL」。若い作家を応援したいと12年前にオープン

    鎌倉にあるおふたりのお店「HAND&SOUL」。若い作家を応援したいと12年前にオープン



    〈撮影/公文美和 取材・文/長谷川未緒〉

    鎌田豊成(かまだ・とよしげ)、内藤三重子(ないとう・みえこ)
    大学卒業後に入社したアパレル会社で知り合い、結婚。現在は鎌倉で手づくり雑貨の店「HAND&SOUL」を営んでいる。



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