(『天然生活』2022年3月号掲載)
家族もゲストも、皆が無理なくできる片づけを
海と山に挟まれた神奈川県・二宮町。駅からほど近い緑の土地に、浅川あやさんの自宅とお店が建っています。約2年前、浅川さんは夫と息子とともに鎌倉からこの地に移住。同時に両親も迎えて、5人暮らしが始まりました。
「この家を建てる際に考えたのが、だれもが気軽に立ち寄れる、開かれた家にしたいということ。実際、息子の友達が10人近く毎日のように放課後遊びに来るし、私たちの友人もよく遊びに来てくれます」
皆が集う家だから、ものを楽に出し入れできるように。内装設計の仕事もしていた浅川さんと一級建築士の夫とふたりで新居を設計した際、意識したのはそのことでした。
同時に前の家で感じていた片づけや家事のストレスを解消する仕組みも考案。これまであったひと手間をなくし、自分や家族、遊びに来る人だれもが無理なく片づけられるようにしたのです。
「たとえば前の家では食器棚に扉がついていたのですが、今回は思いきってなくしました。ふだんの食事は主に私や母がつくりますが、ときには父や夫、息子、さらには友人が台所に立つこともあるので、もののありかがひと目でわかるオープンが楽なんです」
扉をなくせば、もののありかが一目瞭然
5人家族であるうえに、遊びに来る人も多い浅川家。だれもが簡単に出し入れしやすい収納の仕組みが特徴です。
浅川さんの、出し入れしやすい収納術01
背面からも使える吊り棚に
オープンキッチンの天井部には正面だけでなく背面からも出し入れできる吊り棚が。
「これだと家族や友人など、だれもが楽に出し入れできます」
浅川さんの、出し入れしやすい収納術02
オープン収納で、出し入れもスムーズ
食器や家電製品、食材ストックなどを置く棚には扉を一切つけず、オープンに。
「前の家から持ってきた収納用品に合わせて自分で設計し、つくってもらいました」
よく使う器は食器棚の下2段、重い皿などはディッシュスタンドに立てて収納して出し入れを楽に。
浅川さんの、出し入れしやすい収納術03
かごやグラス、タイルで居場所づくり
木製のカトラリーをグラスに入れ、取りやすいようダイニングテーブルに近いキッチンカウンターの上に。
コーヒー道具を置いているのは沖縄で買ったタイルの上と周辺。
「ここがコーヒーの道具コーナーだという目印になります」
無印良品のかごに食材のストックを収納。複数そろえてスタッキングして使っている。
〈撮影/山田耕司 取材・文/嶌 陽子〉
浅川あや(あさかわ・あや)
神奈川県二宮町にある自宅に隣接した洋館で全国各地からセレクトした日用品の店「日用美」を営む。
インスタグラム:@nichiyobi_asakawa
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです