(『天然生活』2022年11月号掲載)
コクや香りがおいしい「甘酒」と「しょうが」
「そのまま飲むのもいいですが、甘酒はお菓子に使ってもおいしいですよ」と高吉洋江さん。
じっくりと発酵させた甘味は、ほかの食材の持ち味をじゃますることなく、控えめでありながらも、コクと香りが加わります。
「火を入れると甘酒特有の味と香りはやや薄れてしまうのですが、チーズのような発酵の香りがふんわりと残ります。砂糖だけでは出せない、甘酒ならではの味わいになるところがいいですね」
また、しょうがはフルーツと合わせるのが高吉さんのお気に入りで、普段からよく使うといいます。
「しょうがは火を入れても香りが飛びづらいので、チーズケーキやクッキーに加えるのもおすすめです」
ただし、しょうがはそのままだと使いづらいので、はちみつと合わせて軽く煮詰めてから使うのが高吉さん流です。
「しょうがはちみつが余ったら、紅茶に加えたり、しょうゆを加えて豚肉のしょうが焼きのたれにしたりしてもおいしいですよ。1週間ほどは日持ちするので、お菓子以外にも使ってみてくださいね」
甘酒としょうがを使って
甘酒ミルクプリン ジンジャーシロップのつくり方
口どけなめらかなミルクプリンは甘酒だけで控えめな甘味に。
しょうがのせん切りを加えたシロップをたっぷりかけてどうぞ。
材料(4人分)
〈甘酒ミルクプリン〉 | |
・牛乳 | 280mL |
・甘酒 | 120g |
・生クリーム | 40g |
・粉ゼラチン | 5g |
・水 | 大さじ2 |
〈ジンジャーシロップ〉 | |
・水 | 200mL |
・きび砂糖 | 15g |
・しょうが(皮をむいて正味) | 15g |
今回使用した甘酒
国産 白米あま酒
甘酒はアルコールを含まない米麹でつくられたタイプがおすすめ。
下準備
・しょうがはせん切りにする。
・粉ゼラチンを水にふり入れ、ふやかす。
・氷水を準備する。
つくり方
1 甘酒ミルクプリンをつくる。牛乳、甘酒、生クリームを合わせてミキサーにかけ、なめらかにする。
2 鍋に1の半量を入れて中火にかけ、温まって湯気が出てきたら火を止める。ふやかしたゼラチンを加えてゴムべらで混ぜる。
3 ゼラチンが溶けたら1の残りを加えて混ぜる。鍋底を氷水にあて、混ぜながら少しとろみがつくまで冷やす。
4 器に注ぎ分け、冷蔵庫で3時間以上冷やし固める。
5 ジンジャーシロップをつくる。鍋にすべての材料を入れて中火にかけ、煮立ったら火を弱め、ずらしてふたをして約20分煮る。粗熱が取れたら冷蔵庫に入れて冷やす。固まった甘酒ミルクプリンにかける。
〈料理/高吉洋江 撮影/川村 隆 スタイリング/荻野玲子 取材・文/結城 歩〉
高吉洋江(たかよし・ひろえ)
アフタヌーンティー・ティールームにて商品開発を行う。退社後、2005年よりお菓子教室を主宰。著書に『お菓子教室tiroir 最愛の焼き菓子』(家の光協会)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです