• 生きづらさを抱えながら、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていた咲セリさん。不治の病を抱える1匹の猫と出会い、その人生が少しずつ、変化していきます。生きづらい世界のなかで、猫が教えてくれたこと。猫と人がともに支えあって生きる、ひとつの物語が始まります。冬に気をつけたい、猫の健康管理について。

    冬は猫たちの体調が崩れやすい時期

    1月も半分以上が過ぎましたが、寒さは日に日に加速していきますね。

    我が家はフリーランスで仕事をしているため、仕事始めもゆっくり。ついお正月気分で猫とだらだらしてしまいがちです。
     
    ですが、この冬の時期。猫たちの体調をよく見てあげるためにも、一緒に過ごす時間を持つのも必要なこと。

    実は、寒がりの猫たちにとって、冬は体調を崩しやすいピンチの時期なのです。

    画像: 冬は猫たちの体調が崩れやすい時期

    猫は、私たち人間と同じく、寒くなると体温が低くなりやすい生き物です。

    また、寒さはストレスにもなるため、免疫を担う細胞が元気をなくします。

    すると、普段は感染しないような病原体にも負けてしまうのです。

    冬にかかりやすい猫の病気

    それでは、猫は冬にどんな病気になりやすいのでしょうか?

    猫風邪などの呼吸器感染症

    人間でも冬は風邪をひく人が増えますが、猫も同じように呼吸器の感染症にかかる子が多くいます。

    いわゆる猫風邪というものですが、冬は寒さによって免疫力が落ちてしまううえ、乾燥しやすく病原体が体内に侵入しやすくなるのです。

    低体温症

    猫は毛皮を着ているから大丈夫! なんて思われがちですが、猫はけっして寒さに強いわけではありません。

    特に体温調節が上手にできない子猫や高齢猫、持病のある猫は注意が必要です。

    肉球や血流の少ない耳は凍傷になる危険性すらあるといいます。

    関節炎の悪化

    人間も寒くなると関節が痛む方は多いかと思います。猫も同じ。関節炎を持つ猫は寒くなると、それが悪化してしまうケースがあります。

    筋肉や関節がこわばったり、血流が少なくなるうえ、寒さからじっとしているので、関節に負担がかかってしまうのです。

    泌尿器の病気

    冬場の猫はあまり水を飲みたがりません。また寒くてトイレに行く回数も減ってしまいます。

    それにより、尿路結石や膀胱炎になりやすい傾向があります。慢性腎不全も冬場に悪化することが多いそうです。

    猫たちの健康を守る、冬の過ごし方

    そこで、冬の猫たちのために気をつけたいこと。

    何よりも、ぬくぬく環境と、ぬくぬくのお水、栄養バランスのとれた食事です。

    猫は、家族のにおいが大好きなので、お仕事などで家を空けるときには、いつも家族が寝る毛布などをくるまりやすい形で置いておくと安心して暖を取ってくれます

    画像1: 猫たちの健康を守る、冬の過ごし方
    画像2: 猫たちの健康を守る、冬の過ごし方

    猫の快適な温度は20度~30度のため、寒い日は暖房をつけてあげましょう。

    ただ暑すぎたときに、逃げられる場所も同時に作っておきたいですね。

    水もぬるま湯だとよく飲んでくれる場合が

    ごはんも冷たすぎると嫌がるので、ウェットフードなら常温や少しだけ温めたものが好まれる様子。

    画像3: 猫たちの健康を守る、冬の過ごし方

    一年の始まりに体調を崩してしまわないよう、猫も人間も、ちょっとあまあまなくらいに力を抜いて、自分に優しい日々を過ごしていきましょうね!


    画像4: 猫たちの健康を守る、冬の過ごし方

    咲セリ(さき・せり)
    1979年生まれ。大阪在住。家族療法カウンセラー。生きづらさを抱えながら生き、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていたところを、不治の病を抱える猫と出会い、「命は生きているだけで愛おしい」というメッセージを受け取る。以来、NHK福祉番組に出演したり、全国で講演活動をしたり、新聞やNHK福祉サイトでコラムを連載したり、生きづらさと猫のノンフィクションを出版する。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日」(KADOKAWA)、精神科医・岡田尊司との共著『絆の病──境界性パーソナリティ障害の克服』(ポプラ社)、『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました──妻と夫、この世界を生きてゆく』(ミネルヴァ書房、解説・林直樹)、『息を吸うたび、希望を吐くように──猫がつないだ命の物語』(青土社)など多数ある。

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