(『天然生活』2017年7月号掲載)
服部みれいさんが実践するこころの習慣は、自分のなかにある思い込みや心の癖を解き放ち、より自然で、ワクワクする方向へ導いてくれるものでした。落ち込んだときや、もやもやしているとき、こころを整える一助になるはずです。
1 自分自身と打ち合わせをする
自分らしくいるためにまず大切なのが「自分を知ること」。本当の気持ちや得意なこと、何を望んで何を望まないのか……。
自分と打ち合わせする時間を設け、自分自身について思いつくことをノートに書き出します。月に1回、また季節の節目節目で取り組んで。
「現代人は、仕事や家事に追われ、世事に振りまわされて、“自分”が置き去りになりがち。『いま、何を感じてる?』『本当はどうしたいの?』と、自分の声をよく聴く時間をぜひもって。自分と向き合うことで、隠れていた本音や、本来の自分の姿がみえてくるんです。私もこれまで数えきれないほどこの打ち合わせをしてきましたが、想像以上に楽しいんです。自分に光を当てるだけで力がわいてくるから不思議です」
2 自分のバイオリズムを知る
スムーズに物事が運ぶときと、何をやってもうまくいかないときや、元気なときと落ち込むときなど、浮き沈みの波は必ずあるもの。
自分のバイオリズムを知れば、何があっても冷静に受け止められます。バイオリズムを知る方法として、これまでの人生のトピックを書き出して周期の傾向を探るほか、数秘術や星占いなどを利用する手も。
「私は数秘術を使っていますが、やり方は何でもいいと思います。自分がいまどういう周期にいるのか、わかることが大切です。たとえば、『辛抱する時期』とわかれば、次のステップに向けて地道に努力する気持ちになるし、無闇に落ち込まなくなるはず。こころも体も、波があるのが自然。いつも絶好調じゃなくていいんです。自然が一番です」
3 自然を観察し、取り入れる
常識や他人の目、自己否定の気持ちにとらわれてしまうときは、自然をよく観察し、その営みをヒントにして、こころを解放します。
また、選択に迷ったときは、「自然かどうか」を判断基準に。人に合わせたり無理をしたり、自分にとって「不自然」なことは、なるべく避けるように心がけます。
「海は凪もあれば時化の日もある。たとえば鳥は『私なんて』と、くよくよしたり、アンチエイジングに必死になったりしないですよね。自然の営みを思うと、自分もどうふるまったらいいか、たくさんヒントをもらえます。自然を意識するだけで、こころは、ぐんと軽く、自由に。いつも自分自身が自然で心地よくいられることを選択してみてはいかがでしょうか」
4 潜在意識をクリーニングする
私たちはいつも「頭」であれこれ考えるけれど、実際に自分を支配しているのは「潜在意識」なのだとか。
潜在意識に過去のトラウマや不安、自己否定などのマイナス感情があると、それが「問題」となって表面化してしまう。潜在意識をきれいにする方法としては、呼吸法やヨガ、瞑想、ハワイの浄化法ホ・オポノポノのほか、ホメオパシーといった代替医療の中にもよい知恵がたくさんあります。
「人生は潜在意識に動かされているのだとしたら、まずはここをキレイにすればいいということですよね。クリーニングする方法として取り入れやすくておすすめなのは、呼吸法。まずはたくさん吐く。そして深く呼吸ができるようになると、こころがきれいに整っていきます」
5 感情を味わいつくす
人間関係や他人からの評価を気にして、感情を抑え込んでいませんか?
とくに怒りや悲しみは、表に出さないことが美徳とされるため我慢しがちなもの。でも、感情に中途半端にふたをすると、知らずしらずに増幅して自分をさらに苦しめることにも。
「悲しみや怒りをみないフリしつづけるのは、とても不自然なこと。ときには、思いっきり怒る、子どものようにわんわん泣く。そうやって感情を味わいつくすことも大切です。出しきったらすっきり。自分の感情がわからなくなってしまった人は、ちいさな「違和感」を感じるところから始めてみては? 眠っていた感情に気づくことは、自分自身でいつづけることにつながっていきます」
6 自分に共感する癖をつける
大人になると「やって当たり前」なことが増えていき、ほめられる機会がどんどん減っていくもの。
子育て、仕事、介護……頑張っている自分のことを、まずは自分で認めて共感し、励ますことを習慣に。共感や励ましを続けていると、きっと、おなかの深いところから力がわいてくるはず。
「みんな、自分を認めてもらえなくて、心身がクタクタ。自分のなかの子どもに話しかけるように『今日はよく頑張ったね』『いまのは腹が立ったよね』と、共感してあげてください。バカバカしいと思うかもしれませんが、とても大事なことです。もちろん自己肯定感アップにもつながります。私もよく、『みれい、グッジョブ!』と話しかけていますよ。自分をとことんいたわって、やさしくする気持ちで」
<取材・文/熊坂麻美 イラスト/北村 人>
服部みれい(はっとり・みれい)
岐阜県生まれ。文筆家、『マーマーマガジン』編集長、詩人。育児雑誌の編集を経て、1998年独立。2008年に『murmur magazine』を創刊。冷えとりグッズと本のウェブショップ『マーマーなブックス アンド ソックス』主宰。2015年春、岐阜・美濃市に編集部ごと移住。同年8月に「エムエムブックス みの」オープン。近著に、『わたしらしく働く!』(マガジンハウス)、『SELF CLEANING BOOK3 うつくしい自分になる本』(筑摩書房)、『みの日記』(11月に扶桑社より復刊予定)、『きんいろのアファメーション帖 BIG』(エムエム・ブックス)がある。毎日新聞日曜くらぶにて「好きに食べたい」連載中。メルマガとして配信するラジオ、「声のメルマガ 服部みれいのすきにいわせてッ」を月3回配信、特設サイトをnoteにてオープン。最新刊『わたしと霊性』(平凡社)が9月中旬に発売予定。
服部みれい公式サイト
http://hattorimirei.com/
エムエム・ブックス
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マーマーなブックス アンド ソックス
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※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです