器にリースを編むように。淡い緑を楽しむしつらい
家に花を飾る。それは、特別なことでありません。「日々の暮らしにいつでも花を」……そんな、“日常花”を提案する平井かずみさんによると、この時季は、花との暮らしをはじめるには、まさにうってつけの季節。なぜなら、球根花にたくさん出会うことができるから。
「土の中で何年も栄養を蓄えて花を咲かせる球根花は強い生命力あふれていますから、私たちがほとんど手を貸すことなく、元気にかわいらしい花を咲かせてくれます」
そして、球根花の特徴といえば、そのやわらかくみずみずしい茎。花だけでなく、平井さんの表現を借りれば、「まるで砂糖をまぶしたかのような淡い緑」まで愛でるしつらいを、楽しんではいかがでしょう?
茎まで愛でる、“くるくるチューリップ”のしつらいのコツ
1:ひと晩水につけない
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リースのように丸くしならせるために、ほどよく水分が抜けた状態にする。前の晩から新聞紙に包んで、水気をほどよく抜いておくとよい。
2:葉を取る
2-1 葉の付け根に親指の爪を立て、ていねいに取っていく
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茎の美しさを楽しみたいので、上の方の葉1〜2枚を残して下の葉は取る。まず、葉の付け根に親指の爪を立てるようにして、ていねいににスライドさせていくと綺麗に取れる。
2-2 上方向へひっぱる
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下に引くと、茎の薄皮までむけて傷つけてしまう。爪を立てた場所から切り離すイメージで上に引いて取る。
3:器の側面にぴったりになるように茎先は斜めにカット
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茎は斜めに切る。通常、水の吸い上げがよい球根花は、茎をまっすぐに切るけれど、このしつらいに関しては、器の側面に茎がぴったりついている方が美しいので、例外的に斜めにカット。
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茎先アップ
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<スタイリング/平井かずみ 撮影/有賀 傑 取材・文/福山雅美>
平井かずみ(ひらい・かずみ)
フラワースタイリスト。インテリアショップ勤務を経て、挿花家・谷匡子氏に師事。“しつらえる”という感覚を大切に、暮らしのなかに季節の草花を取り入れる「日常花」を提案。花の教室やリース教室を全国各地で開催。雑誌や広告、イベントでのスタイリングや、ラジオやテレビなど多方面で幅広く活躍中。著書に『花のしつらい、暮らしの景色』『あなたの暮らしに似合う花』(ともに扶桑社)、『フラワースタイリング ブック』(河出書房新社)、『季節を束ねるブーケとリース』(主婦の友社)などがある。
https://www.hiraikazumi.com/
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